「ペイントソフト猫 Free」は、多彩な機能を持ちながら軽快に動作する、フルカラー対応のペイント系グラフィックソフト。ブラシのカスタマイズにより、バリエーション豊かな表現を行うことが可能で、ブラシの位置をランダムに動かして、変化をつけたりすることもできる。対応する画像形式はBMP/JPEG/PNGとAPD（AzPainter形式）。

画面は、描画エリア（キャンバス）であるメイン画面と、描画ツールやカスタム設定のためのフローティングウィンドウで構成される。メイン画面では、複数の画像を同時に開いて、タブで切り替えながら描画・編集することが可能。色の選択やブラシオプション設定、レイヤ操作などを行うためのフローティングウィンドウは、サイズや位置を自由に変更できる。

特徴のひとつが、豊富に用意されたブラシオプション。サイズや濃度、不透明度などの基本的な設定に加え、描画モードを「乗算」「スクリーン」「境界」「beta」「hsv」などから選べる。さらに、テクスチャ効果を加えたり、キャンバス上の色とブラシの色の混ざり方やぼかし具合などをきめ細かく調整することも可能。ブラシの角度をストローク中に回転させたり、ランダムに位置を動かして変化をつけたりする（ジッター）ことも可能だ。

筆圧感知機能も搭載する。ペンタブレットの筆圧に応じて、ブラシのサイズや濃度、サイズ＋濃度のいずれかを変化させることが可能だ。

ブラシの設定は、「ブラシセット」として登録しておけば、いつでも呼び出せる。サンプルとして「ぼかし」「ベタ塗り」「楕円ランダム」「1ドット ジッター」など、9種類のブラシセットが用意されている。

レイヤでは、重ね合わせの方法を「通常」「乗算」「スクリーン」「加算」「差の絶対値」の5種類から選べるほか、不透明度を指定することも可能。レイヤをグループ化することもでき、効率よく作業を進められる。

そのほかにも、

• マウスホイールによる表示倍率の変更
• キャンバスの回転や左右反転表示
• 選択範囲の拡張・縮小や反転
• トーンカーブの編集

上級者（というより、絵心のある人というべきか？）向けといった雰囲気を漂わせているソフトだが、そんな中で筆者にも結構楽しめる（というか、使えそうな）機能があった。それはツールオプションの中の「回転対称」というもの。大小の歯車を組み合わせて、鉛筆を動かすと花びら模様のような図が描ける定規（？）を思い出していただけるとわかりやすいが、ああした絵をほんの数ストロークで描けてしまう。そのほかに「左右対称」というオプションもあり、「回転対称」と組み合わせれば、もっと複雑な図形を描くことができる。

これらのツールを使えば、特に絵の上手な人でなくても単純に楽しめるし、Web用の背景素材作成などにも利用できるだろう。

ソフトを開発しようと思った動機、背景
デッサン確認用に「リアルタイムで左右反転表示や回転表示するソフトがほしい」と思い、作りはじめました。

開発中に苦労した点
ブラシツールは、線を引けるようにするだけで半年以上かかりました。ほかにも数ヵ月かけて断念したり、反響がなかったり、苦労した点は多いです。

今後のバージョンアップ予定
今後のバージョンアップでは、

• 64bit版の作成
• ユーザインタフェースの改良
• 文字ツール
• ヘルプ等の充実
• ブラシの強化
• 定規の強化
• 3D機能
• スクリプト機能
• ベクタレイヤの強化