「がまぐち君v3 Mini」は、面倒な明細入力作業を軽減する機能を備えた、使いやすい家計簿ソフト。シンプルなデザインのインタフェースで、収入や支出の記録、口座管理、各種集計を行えるようになっている。データは自動保存され、ユーザが保存操作を行う必要もない。

メイン画面は、（基本的に）月間集計表や入力候補が表示されるペインと、明細が表示されるペインの2ペイン構成。二つのペインは、好みで縦並び/横並びを切り替えることができる。画面下部に日記入力エリアを表示させることも可能。その日の出来事とお金の動きとを関連付けた日記をつけておける。画面には「収入」「支出」「振替」「集計」「管理」の各タブが用意され、必要な機能をすばやく呼び出せるようになっている。

大きな特徴が、あらかじめ費目や項目別に入力文字を登録しておき、明細の入力を省力化できる機能。例えば「支出」で食費の明細を入力する際に、明細の「品名」をクリックすると「アイスクリーム」「あげ」「アスパラ」「いも」「ウインナー」といった品名一覧が表示され、一覧から選択するだけで入力が完了する仕組み。表示される候補は、ユーザが自由に追加することができる。新聞代や定期代など、金額が一定のものは金額もあわせて登録することが可能。金額も登録されている場合は、品名を選択するだけで金額も同時に入力される。

銀行口座、現金、クレジット、ローン、おこづかいなど、複数の口座を管理することも可能。銀行口座から現金を下ろしたり、クレジットやローンを銀行口座から引き落としたりといった口座間の移動も自由に行える。

「集計」では、年度ごとのさまざまな数値を確認できる。期間発生額や累計額をはじめ、前年度比の数字や費目、品名、店名、使用者、口座をキーにした条件付き集計も行える。「どの店でどれだけ買い物をしたか」「誰がどのくらい買い物をしたか」といった数字をたちどころに見ることができる。

家計簿は、まず「毎日つける」という習慣を作ることが第一歩ではないかと思うのだが、そのためには、いろいろなことができる多機能家計簿よりも、シンプルで扱いやすいソフトの方が最初は適しているのではないだろうか。詳細な明細記帳や分析などは、毎日つける習慣ができてからでも遅くないだろうという気がする。

その点で「がまぐち君v3 Mini」は、家計簿入門用に最適だろう。もっとも入門用とはいえ、必要最低限の機能は備えており、個人的な感覚でいえば「これだけあれば十分」とも思える。

開発中に苦労した点
機能的にはVer.2で完成しているので、ほとんど見た目の問題ですね。「がまぐち君」は、Ver.1のときからパステル調を基本にしているのですが、液晶モニタはパステル調が苦手なようで、派手になり過ぎるきらいがありました。そこを見るに耐えるレベルに調整しようとしたのですが、なんといっても「わが家に液晶がない」ことが難点でした。

ユーザにお勧めする使い方
とにかく、こだわらないことですね。厳密にしようとするほど疲れますので、はじめは大雑把に記帳した方がいいですよ。そうした意味では、口座管理機能なしのモードが私は好きですね。この状態は「がまぐち君」のVer.1に近いのですが、家計簿の基本だけの超シンプルな家計簿がいいですね。あと「がまぐち君」は、明細を縦へ縦へ入力すると、すばやく入力できるようになっていますので、先に費目や品名を縦方向にどんどん入力していってください。

今後のバージョンアップ予定
実は2、3年前からなんですけど、データベースエンジンの変更を含む大改造を行っています。ただ、なかなか暇がなくてちっとも捗らないので、完成はいつになるかは??　ですけどね。ご要望があれば、いまのうちにどんどん出しておいてくださいね。