「Radiotracker」は、全世界のインターネットラジオ局から好みのジャンルやアーティストの曲を探し出し、ダウンロードできるエアチェックソフト。配信されている番組の中から音楽部分だけをエアチェックして保存できる。新バージョン「5 Platinum」では、登録されたインターネットラジオ局が20,000以上に増えたほか、ウィッシュリスト機能などの強化も図られた。

音楽のダウンロードは、聴きたい曲のジャンルを選択する「ラジオ」か、アーティスト名や曲名などで指定できる「ミュージックファインダ」で行う。選択できるジャンルはロック、ポップ、ジャズ、ラテン、ワールド、クラシック、オールディーズなど、多数。さらに、例えばロックではハードロック、クラシックロック、インディー、メタルといったように、各ジャンルごとに細かく分類され、計約80種類にも上るジャンルから好みのものを選べるようになっている。

「ラジオ」は、指定のジャンルが放送されているインターネットラジオ局を選び出し、その時点で放送されている（ダウンロード可能な）楽曲を自動的にダウンロードしてくれる機能。お気に入りのインターネットラジオ局を登録しておき、音楽ジャンルや具体的な局名、楽曲の最小ビットレート（音質）などを指定することもできる。さらに、類似の曲を「ウィッシュリスト」に自動選択する機能もあり、ジャンルや「お気に入り」と組み合わせることで、さらに絞り込んだエアチェックを行えるようになる。

「ミュージックファインダ」では、「ウィッシュリスト」にアーティスト名や曲名などを指定して、ピンポイントで好みの曲をダウンロードできる。アーティスト名や曲名はユーザが手動で入力する以外に、「ミュージックブラウザ」と呼ばれるリストから選択することも可能。「Radiotracker」ユーザ同士でウィッシュリストを交換することもできる。

ダウンロードした曲はMP3形式で保存される。複数のインターネットラジオ局から曲をダウンロードした場合に音量レベルがばらばらになることを防ぐ、音量レベルの「正規化」機能もある。音楽トラックごとにフェードイン/フェードアウトを設定することも可能で、複数のファイルを連続再生しても違和感がない。

そのほかにも、

• MP3の再生に対応した（iPodなどの）ポータブルプレイヤーへのデータ転送
• CD/DVDへのライティング
• 携帯電話の着信音作成（MP3/AMR/MMF形式）

もちろん、代金を払って購入するCDと、基本的に誰でも無料で聴けるラジオとでは、それくらいの程度差はあって当然だ。「いつでも好きなときに、どんな曲でも聴けるラジオ」などというものが存在したら、CDは売れなくなってしまうだろう。

ところが「Radiotracker」では、「好きな曲を能動的に選べない」というラジオの欠点を大幅に改善してくれる。さすがに瞬時というわけにはいかないが、「ウィッシュリストを設定しておいたら、いつの間にか聴きたい曲が録音されていた」ということもある。「待つのは耐えられない」人は、ジャンルを指定できる「ラジオ」機能を使えば、ものの数分で指定したジャンルの曲を聴くことが可能だ。これはまるで、自分好みのジャンルだけを放送する専用のラジオ局ができあがったかのような感覚だ。

ラジオといえば、CDを替えたり、曲を選んだりしなくても、ずっと勝手に「鳴り続ける」手軽さが魅力。その手軽さに加えて、「自分好みのジャンル」というフィルタがかかるだけで、これだけ便利に使えるようになる。