デジタル写真のインポートから閲覧、加工、メディアへの保存までを行える統合型デジタル写真管理ソフト。カテゴリや重要度でデジタル写真を簡単に分類・検索できるほか、本格的なレタッチや無料の画像共有サービスを利用したデジタル写真の公開なども行える。「ACDSee Photo Manager 2009」は、“超高速”な動作で定評のあるホームユーザ向けデジタル写真管理ソフト「ACDSee Photo Manager」シリーズの新バージョン。デジタル写真画像の取り込み時にカテゴリやキーワードなどを設定できるようになったほか、複雑な検索条件を保存して再利用したり、オリジナルの写真を保持して、編集後でもすばやく元に戻したりもできるようになった。周辺部を暗くして写真をアンティーク風に加工できる「ヴィネットツール」や、アングル/ソーベルをはじめとした10種類の特殊効果なども新たに追加された。
メイン画面は3ペイン構成。左側にフォルダツリーとプレビュー、中央にサムネイル一覧、右側にはカテゴリや重要度などの「画像を効率よく整理するためのツール」がレイアウトされ、さらに必要に応じて画像のプロパティやカレンダーなどを表示させることができる。画面上部のツールバーには、フォルダの選択時(サムネイル一覧を表示している状態)やサムネイルの選択時など、そのときの状態に応じて関連する機能が表示されるようになっている。
搭載された機能は、
- (1)画像のインポート(取り込み)
- (2)画像の閲覧やメディアファイルの再生
- (3)ファイルを効率よく閲覧するための分類・検索
- (4)画像の加工
- (5)ファイルの共有・印刷
の五つに大別できる。(1)画像のインポート(取り込み)
デジタルカメラのメモリカードやCD/DVD、スキャナなどから画像ファイルを取り込む。このとき、取り込んだ日付や撮影日ごとにフォルダを作成して自動的に仕分けしてくれるほか、縦位置への自動回転、カテゴリへの登録、作者名やキーワードなどのメタ情報の登録なども一括して行える。さらに、デジカメのRAW画像とJPEG画像を別のフォルダに仕分けしたり、どちらかをサブフォルダに保存したりといったことも可能だ。
(2)画像の閲覧やメディアファイルの再生
左ペインのフォルダツリーで選択したフォルダ内の画像をサムネイルで閲覧できる。フォルダツリーにはフォルダごとにチェックボックスが用意され、マーキングした複数のフォルダの内容をまとめて閲覧することが可能。フォルダツリー部は「お気に入り」に切り替えることもできる。お気に入りの画像やフォルダを登録しておけば、すぐに呼び出せる。
サムネイル一覧は、ファイル一覧や詳細表示、サムネイルとプレビューを組み合わせた「フィルムストリップ」などの表示モードに切り替えることが可能。ファイル名やファイルサイズなどによる並べ替え、作者や撮影日などによるグループ化も行える。重要度やカテゴリで抽出できるフィルタ機能も用意されている。
(3)ファイルを効率よく閲覧するための分類・検索
画像をカテゴリに登録しておくことで、特定のカテゴリに属する画像だけを抽出・表示させることができる。カテゴリは「人物」「場所」などがあらかじめ登録されているが、ユーザが独自のカテゴリを作成したり、サブカテゴリを追加したりすることも可能。(カテゴリのほかに)画像に重要度を設定することもできる。
ユーザが任意に設定できるカテゴリのほかに「自動カテゴリ」もある。撮影時の感度やカメラの機種名、ホワイトバランスの設定、絞り値などの情報をもとに、該当するファイルを抽出できる。フォルダツリーと同様、カテゴリや重要度にもチェックボックスがあり、複数のカテゴリや重要度をまとめて選択することが可能だ。そのほか、「バスケット」機能を使うことで、異なるフォルダにあるファイルから必要なものだけをまとめて表示させたり、編集したりすることもできる。
画像ファイルを直接ダブルクリックした場合などは、簡易型ビューア「ACDSee Quick View」が起動する。「ACDSee Quick View」は表示専用で、起動がより高速。「ちょっと画像をチェックしたい」といったときに便利だ。「ACDSee Quick View」上からフル機能のビューアを起動することもできる。
(4)画像の加工
サムネイルを選択した状態では、画像の回転やファイル形式の一括変換、画像サイズや露出の一括変更などを行える。露出の一括変更では、選択した画像に対してすべて同じ設定で変更することも、個別に設定を行うことも可能。変更の方法は、EV値による補正やレベル調整、トーンカーブによる修整などから選べる。
さらに、サムネイルをダブルクリックすることで、本格的な編集機能を備えたビューアが起動する。ビューアでは、明るさの自動補正やレベル調整、シャドウやハイライトのみの補正などが可能。色かぶりを修整する「カラーキャスト」、RGBによるカラー調整、アンシャープマスク、赤目補正、ノイズ除去、トリミングといった編集機能も用意されている。皮膚の傷などを消してくれる「美肌効果」、不要なものを消すのに便利な「クローン」といったツールもある。また、画像に枠を付けたり、モザイクやぼかしをはじめとしたさまざまなフィルタ効果を適用したりもできる。
(5)ファイルの共有・印刷
選択した画像からオリジナルのCD/DVDを作成したり、スライドショウファイルやビデオ、HTMLアルバムなどを作成したりできる。画像共有サービス「SendPixアルバム」を利用して画像を公開したり、Flickrへ直接画像をアップロードしたりといったことも可能だ。
印刷機能では、1枚の写真を1枚の用紙に出力する「フルページ」のほかに、数枚の写真を1枚の用紙に出力する「レイアウト」、サムネイルを並べて出力する「コンタクトシート」を選ぶことができる。
そのほかにも、スクリーンセーバやPDFファイル、PowerPoint形式のプレゼンテーションファイルの作成やLZH/ZIP/CABなどのアーカイブファイルの作成、電子メールでの送信なども可能。「ACDSee Photo Manager 2009」では参照したフォルダの情報をカタログ化し、データベースとして自動的に保存するため、データベースのバックアップ/復元や最適化、インポート/エクスポートなどの機能も用意されている。