オリンパス、キヤノン、ソニー、ニコンなど、主要メーカー製のデジタルカメラに対応した高機能RAW現像&フォトレタッチソフト。「Capture One PRO」は、中判サイズのデジタルカメラバックメーカー・Phase One社の開発するRAW現像ソフト。「Capture One」シリーズには、「PRO」のほかに「通常版」「DB」の3ラインナップがあり、それぞれ「プロフェッショナル向け」「機能の限定された一般ユーザ向け」「同社製デジタルバックユーザ専用」という位置付けになっている。「PRO」の新バージョン「4.5」では「Nikon D90」「SONY α900」といった発売されたばかりの機種にも対応したほか、パープルフリンジ補正などの機能が追加された。
「4.5」での新機能のひとつに「パソコンとカメラをUSBまたはIEEE 1394で接続して撮影することで、直接画像を転送・編集できるようになった」ことがある。対応するのは一眼レフではキヤノン製の一部機種に限られるが、パソコンと併用して撮影できる環境では、きわめて効率的なワークフローが実現される。
レンズ性能に起因する画質劣化を補正する機能も充実している。画面周辺部で光量が減少する現象を補正するヴィネッティング補正、周辺に行くほど色がずれる色収差補正、シャープネス補正、樽型/糸巻き型などの歪み補正も行える。明暗差の大きな部分でハイライト周囲に発生する紫色の縁取り「パープルフリンジ」も除去することが可能だ(特にパープルフリンジ補正は、他社製品ではサポートしているものが少ないだけに、有用な機能だ)。
画面内の任意の色域に着目して、個別に色相の回転や色の濃さなどを調整できるカラーエディタ機能も用意されている。どの色域を選択するかは、カラーホイールから選択できるほか、実際の画像内から色を抽出することもできる。
もちろん、従来バージョンでサポートされている機能も引き続き利用できる。「バリアント」と呼ばれる別バージョン編集機能では、元のRAW画像ファイルに対して複数の現像・編集バージョンを作成し、同時に保持・編集することが可能。元のRAW画像ファイルを複製することなく、編集加工情報のみを複数、保持できるようになっている。
Webコンタクトシートは、編集・出力した画像をWeb向けに出力できるもの。サムネイルビューとフルサイズ画像ビューとを自動的に構成できる。サムネイルから画像を選択した場合の切り替わりエフェクトを設定することも可能だ。
画面表示では、最大12画像までを同時に開き、フル解像度で表示できるマルチビューイング機能を利用できるようになった。一般的なWindowsアプリケーションのようにマルチウィンドウを用いて画像を表示するのではなく、ビューア(いわゆる編集画面)を複数画面に分割し、並べて閲覧できる。バリアント機能により、色調調整などの効き具合を比較したりする際に便利だ。