CD/DVDライティングソフトを中心に、計20種類以上のアプリケーションが収録された“デジタルメディア統合ソフト”。「Nero 9」は、映像・音楽・動画・写真といったデジタルメディアを扱う際に必要となる機能(ソフト)がまとめて収録された統合ソフト「Nero」シリーズの新バージョン。中心機能のCD/DVDライティングはもちろん、AVCHDディスクの作成などまで、動画編集に関するさまざまな作業を1本で行える。有償オプションによりBlu-rayディスクの作成などにも対応する。
新バージョンではさまざまな機能強化が図られたが、なかでも最も注目されるのは動画編集機能の強化だ。動画編集ソフト「Nero Vision」に、動画を自動編集できる「ムービーウィザード」機能が追加された。ソースとなる映像を指定し、あとは「子供」「旅行」「パーティー」などの(あらかじめ用意された)テーマを選択すれば、テーマに合わせてオープニング画像、タイトル、BGM、トランジションエフェクトなどが自動的に適用される仕組み。面倒な編集なしに、すぐさま表現力の高い動画を作成できる。適用されたエフェクトやBGMは、そのまま「Nero Vision」上で再編集や追加編集を行うことも可能。ウィザードにより適用されたエフェクトを変更したり、BGMを入れ替えたりといった操作も行える。
音楽番組が録画されたデータから音楽ファイルを作成する「Music Grabber」も新機能のひとつ。ナレーション部分などを取り去り、WAVやMP3などのオーディオファイルに保存したり、映像だけを独立した動画ファイルとして保存したりできる。
テレビ録画されたファイルのCM部分を自動的に探し出し、削除する自動CMカット「Ad Spotter」も搭載された。ビデオデッキのような音声切り替えを検出するタイプではなく、画像情報の変化などからCMを判定するもので、必要に応じて検出感度の設定なども行える。DVDオーサリングではアニメーションメニューや3Dメニューのテンプレートなども新たに追加され、より表現力の高いオーサリングを行えるようになった。
多くの機能を効率的に呼び出せるプロジェクトランチャ「Nero StartSmart」も強化された。画面デザインは従来バージョンに似たものだが、別アプリケーションを起動することなく、動画や音声などのメディアファイルをプレビューできる機能が追加され、より少ない手順でメディアの内容を確認できるようになった。データの自動バックアップ機能も新たに加わった。バックアップは、ローカルディスクに対して行えるほか、オンラインストレージ(有償)に対して行うこともできる。
データ保護機能では、破損したディスクからデータを復旧できる「Nero RescueAgent」がハードディスクおよびUSBフラッシュメモリに対応した。音楽CDから楽曲をリッピングする機能では、新たにGracenoteのMusicDBに対応。曲名やアルバム名、アーティスト名、アルバムジャケットなどの情報をインターネット経由で自動的に取得し、保存できるようになった。もちろん付属のプレイヤーでCD再生する際にも楽曲情報を表示できる。
長い実績のあるライティングソフト「Nero Burning ROM」「Nero Express」ももちろん搭載されている。さまざまなメディア編集の結果を、DVDなどの光メディアに対して確実にバックアップし、保存できる。