北米を舞台に、6勢力のうちのひとつとなって勝利を目指す、歴史を題材としたRTS

「ノーマンズランド 日本語版 ［ダウンロード版］」は、16世紀から19世紀までにわたるアメリカの開拓史をモチーフにしたヒストリカルRTS。艦隊を率いての海戦や軍隊を率いての決戦、大陸横断鉄道の敷設、敵ユニットの暗殺、疫病による敵軍の陥落など、多彩な戦闘・戦略が用意されている。ゲームに登場する勢力（国・部族）は「スペイン」「森林インディアン」「平原インディアン」「イギリス」「パトリオット」「開拓者」の6種類。プレイヤーはこのうちのひとつを担当し、勝利を目指す。標準的なゲームシステムと手頃な難易度で、初心者のRTS入門用としても最適だ。

ゲームシステムは、この種のRTSとしてはポピュラーなもの。新しいマップではまず最初に、ひとつしか建てられない中心となる建物（司令部、ロングハウス、酋長のテントなど）を建築し、労働力となる男女の住民を育成する。次に、育成された住民を使って、「住居」「農場」「倉庫」「金鉱」といった、ゲームを進める上で必須の建物を建築する。

ゲーム内で消費される資源は「木」「食料」「金」の3種類。各ユニット、建物はこれらの資源のうち少なくともひとつが必要で、自軍を発展させるためには、この3種類の資源を安定確保できるようにする必要がある。木は森で獲得できる。食料は農場や狩り、魚釣りで獲得することが可能。農場にできる肥沃な土地は限られているため、各マップに応じて適した食料の獲得方法を選択する必要がある。金は金鉱床の上に金鉱を立てることで獲得できる。金鉱床もマップ上の限られた場所にしかなく、無駄遣いしないよう注意する必要がある。獲得した木や金などは倉庫に集められる。また、「市場」を建設すれば、木や食料を金で売買することも可能。特定の資源がマップ上で獲得できないときなどは、市場を使うのが有効だ。

特殊技能を持つ強力な精鋭ユニットを上手に活用しよう

自軍のユニットの数を増やすには、住居を増やす必要がある。ひとつの住居は6ユニットまで対応することが可能。ただし「ノーマンズランド」では、シナリオごとにユニット数の上限が設定されており、その数を超えてユニットを生産することはできない。

戦闘用のユニットは、「歩兵育成所」を建てることで育成できるようになる。育成できるユニットの種類は、使用している勢力によって異なる（「剣士」「槍兵」「歩兵」「コンキスタドール」「メイス戦士」「槍戦士」「ライフル戦士」「ガード兵」「軍用犬」など）。ユニットの種類によっては、育成に必要な条件をさらにいくつか満たす必要がある。

使用している文化によっては、「造船所」を建てて「軍艦」を建造したり、「大砲製造所」を建てて「カノン砲」を製造したりすることもできる。防御用の「塔」や「要塞」を建設することも可能だ。

「精鋭ユニット」と呼ばれる特殊なユニットも使用できる。精鋭ユニットには「統治官」「宣教師」「レンジャー」「スピリットシャーマン」「酋長」「祈祷師」「保安官」「スナイパー」などがあり、自動的に自己治癒するほか、ユニットの種類ごとに特殊なスキルも備えている。アップグレードによって、特殊技能を増やすことも可能だ。

ユニットの操作は、左クリックまたは左ドラッグで対象となるユニットを選択し、マップやユニットを右クリックして、移動先または作業を指示するというオーソドックスな方法で行える。

ボリューム満点のキャンペーンと6種類の対戦ルールのどちらもおもしろい

用意されたゲームモードは、コンピュータと対戦する「シングルプレイ」と、ネットワークを介して他のプレイヤーと対戦する「LAN」の2種類。「シングルプレイ」では「キャンペーン」「フリープレイ」の2種類をプレイすることが可能。「LAN」には最大8人まで参加できる。

「キャンペーン」は、用意されているストーリーに沿ってゲームを進めてゆくモード。用意されているキャンペーンは3種類。ひとつのキャンペーンは6章からなり、ひとつの章には10のミッションが含まれる、ボリューム満点の構成だ。

「キャンペーン1」は「スペイン人」を主人公としたストーリー。「キャンペーン2」は、アメリカ先住民族である「森林インディアン」と「平原インディアン」が主人公のストーリーだ。「キャンペーン3」では「イギリス人」「パトリオット」「開拓者」と変遷する「サンダース家」の歴史がたどられる。そのほか、ゲームの基本的な操作を覚えるチュートリアルとしての位置付けでもあり、同時に「キャンペーン1」の導入部ともなっている「イントロ」も用意されている。

キャンペーンでは、ミッションごとに物語の中心となる1名ないし複数名の「ヒーロー」が登場し、このうちの一人でも死ぬとゲームオーバーになるという条件がつく。

「フリープレイ」では、使用するマップとゲームの条件を設定してコンピュータと対戦する。対戦ルールは6種類から好きなものを選択できる（LANのマルチプレイも同様）。

• 他の勢力をすべて滅ぼすまで戦う「デスマッチ」
• 他の勢力の「ヒーロー」を倒すことを目的とする「エリミネートヒーロー」
• 制限時間内で敵勢力のフラグを多く獲得した者が勝者となる「ドミネーション」
• 中央の丘にあるフラグを獲得したのち、指定時間を守りきった者が勝ちとなる「キングオブザヒル」
• 鉄道を建設する側と破壊する側に分かれて戦う「レイルロード・トラック」
• マップの端から端まで一番早く鉄道を完成した者が勝利者となる「鉄道建設レース」

ゲーム自体は、この手のRTSとしては非常にオーソドックスな内容といってよい。生産できるユニットの数がそれほど多くなく、金鉱や農場もわりと早く資源が尽きてしまうため、「時間をかけてじっくりと自軍を強力に育てたい」というプレイヤーにはやや向かない。だがその分、強力なユニットを生産するための制限も緩く、手軽に生産できるので、「気軽に手早くプレイしたい」という人には向いているだろう。もちろん、初心者のRTS入門用としても最適だ。

登場する勢力は、新大陸を発見した「スペイン」、アメリカに入植した「イギリス」、独立戦争により自由を勝ち取った「パトリオット」、西部へと移り住んだ「開拓者」、森林や広大な草原に住む二つのインディアン部族「イロコイ族」と「アパッチ族」、歴史的背景に裏づけされた特徴的な六つの文化です。

キャンペーンでは歴史に基づき、各勢力の抗争が描かれ、また、敵味方それぞれの人間模様を重厚に描いたストーリーが展開され、ドラマティックなゲーム内容をお楽しみいただけます。

現在では、RTSゲームに3Dグラフィックを採用するのは、当たり前となっていますが、「ノーマンズランド」の3Dグラフィックエンジンが描き出す精巧かつ抜群のディティールは、いまも健在！　兵士同士が激しくぶつかり合う陸上戦、フリゲート艦などが怒涛の砲撃戦を行う海戦など、戦闘時の演出は超ド派手！　北米開拓史としてのゲームの完成度を大いに盛り上げています。