「履歴カル」は、入力と計算結果を履歴一覧で確認できるシンプルな電卓ソフト。数値を入力して【Enter】キーを押すだけで、どんどんと加算してゆける。加算だけでなく、減算、乗算、除算を行うことも可能。ウィンドウでは計算結果のほかに、それまでに入力した数値や入力時点での合計を確認することもできる。

加算以外の計算を行う場合は、数値の前または後ろに演算記号を付けて入力すればよい。「-5」「5-」で「5を引く」、「2*」「*2」ならば「2を掛ける」、「-3/」「/-3」ならば「-3で割る」という意味になる。数値の末尾に演算記号を入力する場合は、【Enter】キーを押さなくても、そのまま入力を確定して計算してくれる。演算記号を先に入力した場合は、最後に【Enter】を押す必要がある。

特徴のひとつが、ウィンドウを自動的に縦方向に拡大する自動拡張機能。計算を繰り返し、数値が履歴欄を超えて入力されると、ウィンドウが自動的に縦方向に伸びて表示行数が増える。ウィンドウは、下端がデスクトップのタスクバーに触れるところまで拡大する。縦幅が最大になると、以降は（先に入力された）古い数値が履歴から消えてゆく。

計算結果をクリアする（【Delete】キーを押す）と、ウィンドウサイズは初期状態に戻る（同時に履歴がクリップボードへ転送される）。また、ウィンドウ上でマウスの左ボタンをクリックすると表示行数が1行分減り、右クリックすると1行分増えるようになっている。

四則演算に対応はしているが、本領を発揮するのはなかでも加算のとき。数値を入力して【Enter】キーを押すだけでどんどん合計してれるので、使い勝手がよい。また、直前に入力した値と合計に加えて履歴を表示してくれるため、入力ミスのチェックもしやすい。単純な合計計算で、わざわざ表計算ソフトを起動するまでもないというときには便利だし、いざとなったらクリップボード経由で表計算ソフトやメモ帳に貼り付けて保存できるのもうれしい配慮だ。

筆者は今回、テンキーを持たないノートパソコンで試用したが、「+」「*」「/」などの【Shift】キーを併用する演算記号は入力できないようだ。キーボード上段の数字キーを使う場合、（【Shift】キーを使わない）「-」の入力は可能なので、加減算については問題ない。また、【NumLock】キーを使ったテンキーでの入力では四則演算いずれもまったく支障がなかった。ソフトの性格から、合計計算が主な目的となると思われるので、そう問題になることはないだろうが、念のためご報告しておく。

※編集部注：近日中に公開されるVer.1.23で、【Shift】キーを併用する演算記号の入力に対応の予定（2008.10.27（Mon） 14:00）。

開発する上で苦労した点は、「とにかく軽く」したかったので、流行の（？）ネットフレームワークなんたらはあえて使いませんでした。ソフト開発はどんどん楽になっているのは確かなんでしょうが、いかに開発が楽でも処理が重過ぎるのは、この種の「軽いソフト」には不向きかと。

初めてWin32 APIですべて手書きでゴリゴリ作ってみました。思わず「フォームデザイナーはすごかったｗ」と思うほどに、こんなミニプログラムでも、すべて手書きは大変だったような気がします。それに、カンマ記号処理ですら自作するとは思いませんでしたから（笑。あと不足があるとすれば、ノートでの【Shift】キーでの演算子処理かと思いますで、近いうちに処理できるようしたいと思います（自分の環境が非ノートなんで考慮してませんでした^^;）。