メニュー付きBlu-ray Discの作成が可能になった「TMPGEnc DVD Author」シリーズの新バージョン。編集用プロキシ作成機能なども追加された。「TMPGEnc Authoring Works 4」は、動画ファイルの編集およびDVD/Blu-ray Discといった動画ディスクの作成を行えるオーサリングソフト。軽快な操作性と多彩な機能で評価の高い「TMPGEnc DVD Author 3 with DivX Authoring」の後継にあたり、新たに次世代動画ディスク「Blu-ray Disc」のオーサリングなどに対応。ソフト名から「DVD」の文字が外れた。
注目のBlu-rayオーサリング機能は(DVDでいえばDVD-Videoに相当する)BDMV形式に対応する。独自のメニューを追加することが可能で、市販のBlu-ray Discソフトなどと同様の表現力の高いディスクを作成できる。
Blu-rayメニューのオーサリング能力は高い。メニューの作成は(ボタンデザインや配置などがあらかじめ決まった)テンプレートを用いるだけの手軽な「テンプレートメニュー」か、背景画像やボタン、動画サムネイルのフレーム、トラックメニューなどの要素をユーザが個別に選択し、自由に組み合わせられる「ユーザーオリジナルメニュー」かのいずれかの方法で行える。「テンプレートメニュー」では、初期状態で利用できるテンプレートのほか、ペガシス社のホームページからダウンロードして追加できるテンプレートが数十種類以上、用意されている。
「ユーザーオリジナルメニュー」では、組み合わせによってほぼ無限ともいえるパターンのメニューを作成できる。Blu-ray方式での新メニュー「ポップアップメニュー」を作成することも可能。さらに、既存のボタンデザインやメニューデザインなどでは不満な場合、フォトレタッチソフトなど、他のアプリケーションで作成した部品を取り込むことも可能だ。BMP/JPEGなどのほか、Adobe Photoshop(PSDファイル)などにも対応し、αチャンネル情報を含むボタンも利用できる。
ソースとして使用できるのはAVI、WMV、QuickTime、DivX、MPEG-1/2/4など、パソコンで一般的に使われる動画ファイルのほか、ソニーのGigaPocketビデオファイル、マイクロソフトのTV録画ファイル(DVR-MS)など。ハイビジョン機器としてHDVやAVCHD、ビクターのEverio、アースソフトのPV3/PV4録画ファイルなどの読み込みも可能だ。作成済みのDVD-VideoやDVD-VRからの直接取り込み(著作権保護のないもの)にも対応する。MPEG入力では、一般的なMPEG-2プログラムストリームのほか、トランスポートストリーム(m2ts)なども利用できる。音声ではWAVやMPEG-Audioのほか、AAC(最大2ch)にも対応する。
Blu-ray Discでは、動画コーデックとしてMPEG-2、MPEG-4 AVC、MS VC1などを利用できるが、ソースがMPEG-2以外の場合はMPEG-2に再エンコードされる。また、DVD出力の場合は、DVD-Videoのほか、DivX Ultraも利用できる。
編集機能も強化された。ハイビジョン動画編集のために、新たにプロキシ編集機能を搭載。HD解像度の動画ファイルを直接編集するのではなく、HD解像度の元ファイルに対して、解像度を落としてエンコードした「代理ファイル」を作成し、元ファイルの代わりに代理ファイルを使って編集する。比較的低パワーなパソコンでもストレスなく動画編集を行える。
「TMPGEnc DVD Author」シリーズならではの動画サムネイル高速スクロール機能は健在。新バージョンでは、新たに自動シーン検出機能が加わった。画像の切り替わり点を自動的に検索してジャンプする機能で、マウスのセンターボタン(ホイール)のクリックで呼び出せる。
従来はカット編集のみであった編集機能では、新たにトランジションエフェクトに対応した。わかりやすくカテゴリー分けされた、170種類以上もの中からカットの切り替わり効果を選択できる。従来通り、字幕入りディスクのオーサリングも可能だ。字幕編集はソフト内部で行うことができるほか、すでに作成済みのディスクから字幕のみを抜き出して再利用することも可能だ。
エンコード機能では、必要な部分だけをエンコードするだけで済ませる「スマートエンコード」に対応。エンコード時にはちょうどディスク1枚の容量に収まるようビットレートを自動的に決定することも可能だ。カット編集やオーサリング処理も含めた処理は従来バージョンに比べて大幅に効率化され、DVD出力時の作業時間は最大時で1/3程度にまで改善されている。