Intel Mac上で、WindowsをはじめとしたさまざまなOSを実行できる仮想化ソフト。「VMware Fusion」は、Intel Mac上のMac OS X環境下でWindowsやLinuxなど、さまざまなOSを実行できるようにする仮想化ソフト。Mac OS Xのデスクトップ上で、シームレスに他のOSを利用できるようになる。新バージョン「2」ではインタフェースの改善により、使い勝手がよくなったほか、保存した状態に簡単に戻れるスナップショット機能の強化も図られた。また、実験的にMac OS X Server 10.5を仮想マシンとして実行することも可能になった。
「VMware Fusion 2」とMac OS X 10.5(Leopard)から標準搭載された「Boot Camp」との大きな違いは、
- Windows OSなどを実行する際、「VMware Fusion 2」では再起動が不要(「Boot Camp」は必要)
- 「Boot Camp」が非対応のWindows 95/98/2000/MeやLinux、Solarisなどに対応
していること。「VMware Fusion 2」では、Mac OS Xのデスクトップ上に、あたかもアプリケーションのひとつのようにWindowsのデスクトップ画面を呼び出して使用できる(ウィンドウモード)ほか、デスクトップ全体でWindowsを実行したり(フルスクリーンモード)、Windows用アプリケーションのウィンドウだけをMacのデスクトップに呼び出して使用したり(ユニティモード)もできる。MacとWindowsとの間でファイル共有することも可能。コピー&ペーストやドラッグ&ドロップでファイルの受け渡しができる。Mac上にあるWindowsのファイルを直接ダブルクリックして実行することも可能だ。さらに、ファイル以外にも光学ドライブやプリンタをはじめとしたUSB機器、サウンドやネットワーク接続も共通して使用することができ、まさにMacとWindowsとの“シームレス”な環境を実現できる。
ある時点の仮想マシンの状態を保存し、いつでもその状態に復帰できるスナップショット機能では、複数のスナップショットを保存できるようになった。さらに、オートプロテクトの設定によって、自動的にスナップショットを保存することも可能になった(ただし「Boot Camp」領域を仮想マシンとして使用している場合は、スナップショットは使用できない)。
キーボードマッピング機能では、任意のMac用キーボードの特定のキーの組み合わせを、仮想マシン上のキーやショートカットに割り当てることができる。これにより、【Insert】/【PrintScreen】/【F13】/【F16】など、Windowsのみにしか存在しないキーを任意のキーに割り当てて使えるようになった。従来は対応していなかった仮想マシンのマルチディスプレイにも対応した(Windows XP/Vista、Ubuntu 8.04)。