Blu-ray Discのオーサリングにも対応した「Ulead VideoStudio」シリーズの新バージョン。「Ulead VideoStudio」は、アイコンが多用された、初心者にもわかりやすいインタフェースと、上級者・プロ向けソフトにも引けをとらないほどの多彩な機能をあわせ持つビデオ編集ソフト。「12 Plus」は、2008年4月に発売された「12」の上位版にあたり、Blu-ray Discのオーサリング機能が追加されたほか、FLVファイル出力機能の追加やH.264出力機能の強化など、「12」に対して数多くの機能追加・強化が図られている。
「12」との最も大きな違いといえるのが、Blu-rayオーサリング機能の搭載。「Ulead VideoStudio」シリーズでは従来より、HDVやAVCHD、あるいはHD解像度ビデオファイルの出力など、1920×1080のフルHD解像度のビデオ編集に対応していたが、編集結果をBlu-ray Discに書き込む機能は搭載しておらず、Blu-rayオーサリングには「DVD MovieWriter」などを使う必要があった。
「12 Plus」ではこの点が改善され、編集結果を直接、BD-R/REに書き出せるようになった。メニュー機能付きのBDMV形式で書き出すことが可能で、メニューはあらかじめ用意されたテンプレートから選択できる。HD解像度に対応したBlu-ray Disc向けのワイドメニューで、他のアプリケーションを使わなくても、HD解像度の次世代ディスクを作成することが可能だ(H.264(MPEG-4 AVC)エンコード機能も搭載するが、「12 Plus」のBlu-rayオーサリングで作成できるのはMPEG-2で、H.264でBlu-ray Discを作成するには別途、「DVD MovieWriter」などが必要)。
H.264エンコード機能も強化された。従来からH.264には対応していたが、SD解像度のみで、ビットレート調整などの細かなカスタマイズを行うことはできなかった。「12 Plus」では、フレームサイズとして1920×1080、1440×1080といったHD解像度のエンコードに対応。設定可能なビットレートも2237kbps〜18000kbpsと、広範囲のビットレートを直接指定できるようになった。オーディオではDolby Digital 2chのほか、5.1chのエンコードも行える。
さらに、YouTubeなどで使われるFLV(Flash Video)形式のエンコードも可能になった。出力解像度やビットレートなどをカスタマイズした上でファイル出力できる。
ビデオ作品の表現力を高めるフィルタは72種類が追加された。追加分のうち、71種類は米・NewBlue社の提供によるもの。60年代フィルム風やナイトビジョン、セピア調エフェクトなどのテーマ性を持つもので、オリジナリティ溢れるビデオ作品を作成できる。
「Ulead VideoStudio 12」で搭載された機能は、もちろんそのまま利用できる。特徴的なのが、ペイントソフトでのユーザの描画過程をそのままビデオに重ね合わせられる「ペインティング・クリエーター」機能だ。フリーハンド感覚でビデオに効果を加えられるエフェクトで、他に類を見ないユニークなものだ。そのほかにも、2本のタイトルトラックを駆使したアニメーション付きタイトル機能や、オーバーレイトラック上のクリップに対するエフェクトの適用など、ビデオ編集機能はきわめて豊富。プロ向けのソフトと比較しても引けをとらない。