Intel Mac上でWindowsアプリケーションをネイティブに動作させるための互換レイヤ。Windows OSのインストールなどは不要で、気軽に導入できる。「CrossOver Mac 7 Pro」は、Windowsアプリケーション対応互換レイヤ「CrossOver Mac」シリーズの新バージョン。仮想マシンの構築やWindows OS/ドライバのインストールなどを行うことなく、Intel CPUを搭載したMac OS X(10.4.4以降)マシンでWindowsアプリケーションを実行できる。新バージョン「7 Pro」では、「Microsoft Office 2007」「VOCALOID KAITO」「VOCALOID MEIKO」などに対応したほか、互換ライブラリの強化や描画性能の向上なども図られた。
同種のソフトとしては「Boot Camp」「Parallels」「VMware Fusion」などがあるが、これらのソフトでは、Windows OSがインストールされた仮想マシンを構築し、そこにWindowsアプリケーションをインストールする必要がある。「CrossOver Mac」は、Windows OSを介さずにMac OS X上で直接、Windowsアプリケーションを動作させる疑似環境(互換レイヤ)を構築するため、Windows OSは不要だ。
「CrossOver Mac」が作り出す疑似環境は「ボトル」と呼ばれ、Windows Vista/XP/2000/98の各環境を構築できる。ボトルは複数を同時に構築して利用することが可能。例えば「Windows XPのボトルを二つ用意して、同一マシン上でバージョン違いのアプリケーションを使い分ける」といったこともできる。
Windows用アプリケーションをインストールするには、(「CrossOver Mac」のインストール後に)実行形式ファイル(*.exeなど)を実行すればよい。自動的に「CrossOver Mac」が起動し、ボトルが作成された上でインストールを行えるようになっている。CD/DVDのAutorunにも対応する。Microsoft Officeなどの代表的なアプリケーションは、推奨されるボトルのプリセットが用意されており、リストからアプリケーション名を選択してインストーラの場所を指定するだけで、自動的に必要な設定が行われる。
インストールされたWindowsアプリケーションは、「アプリケーション」の「CrossOver」フォルダ内に格納されたアイコンから起動できる。もちろん、Dockに追加することも可能だ。インストール済みのアプリケーションに関連付けられたファイルを実行すれば、自動的にファイルが開かれる。