リアルタイムバックアップ(ミラーリング)機能が搭載されたバックアップソフト。2台のハードディスクを使い、ディスクの内容を(物理的に独立した)もう1台のディスクに丸ごとコピーする。「PowerX StandbyDisk」は、使用中のハードディスクの内容を完全コピーしてシステムを二重化し、障害発生時にも“リカバーレスで瞬間復旧”できるようにするソフト。バックアップ先のハードディスク(スタンバイディスク)には、ファイルだけではなく、ディスクのパーティション構成やブートセクタなど、すべての情報がバックアップされる。障害発生時でも、コピー先のディスクを1台目としてつなぎ替えるだけで、すばやく復旧することが可能。新バージョン「5」では、Windows Vista(32ビット/64ビット)、Windows XP x64 Editionに対応した。リアルタイムバックアップのほか、ディスク間コピーなどの機能も新たに搭載された。
バックアップは、Windowsが動作した状態で行われる。ボリュームシャドウコピー(VSS)サービスを応用したもので、Windowsのシステムファイルを含めた完全なコピーを取ることができる。スタンバイディスクから起動する場合でも、バックアップ時点の環境を完全に再現することが可能だ。
バックアップはスケジュールを設定して、指定した日時や間隔で定期的に実行することが可能。さらに新バージョン「5」では、リアルタイムバックアップ(ミラーリング)機能が加わり、ディスクへの書き込みが発生すると同時に、スタンバイディスクにも書き込みできるようになった(32ビットOSのNTFSに対応)。リアルタイムバックアップ機能を使うには、専用のミラーリングドライバをあらかじめ組み込み、通常の「スタンバイディスクの構成」の手順で、バックアップを作成する。いったんスタンバイディスクが構成されると、以後はディスクへのすべての書き込みがリアルタイムでスタンバイディスクにも書き込まれるようになる。
バックアップ先への書き込み時のエラーを通知する機能も追加された。万が一のトラブルの際でも「バックアップされた内容も壊れていた」という最悪の事態を極力防げる。また、エラーログも保存され、あとからエラーの原因を探ることができる。
スタンバイディスクにはドライブレターが振られないため、通常はエクスプローラなどからアクセスすることはできない。ただし「PowerX StandbyDisk」の画面からは、エクスプローラ風のインタフェースでバックアップファイルにアクセスできるようになっている。誤ってファイルを削除したり、変更したりしてしまっても、最終バックアップ時点のファイル/フォルダの内容を取り戻すことができる。
さらに、スタンバイディスクの構成とは関係なく、ディスクの内容を他のディスクに複製できるディスク間コピー機能も追加された。現在のハードディスクの内容すべてを、同容量またはより大きな容量のハードディスクにそのまま複製することが可能で、ハードディスクの移行などに役立つ。