「フォトリカバリー8.0」は、誤操作やディスクフォーマットなどで失われた画像ファイルを検索し、復元できるソフト。デジタルカメラで撮影された画像データの復元に重点が置かれ、ファイルフォーマットや拡張子を考慮したファイルの検索を行える。復元前の画像のプレビューや、圧縮ファイル内のデータ検索なども可能だ。

ファイルの復元はウィザード形式で行える。（通常の手順では）論理ドライブ名（D:やE:など）を指定し、復元対象ファイルを検索する。物理ドライブを直接スキャンすることも可能で、ディスクエラーなどで「未フォーマット」と認識されるメディアやドライブにも対応する（物理ドライブスキャンは、リムーバブルメディアのみに対応）。

検索対象となるファイルは「画像」「動画」「音楽」の各ファイル。復元する/しないは個別に選択できる。圧縮ファイル内に含まれるものも、画像・動画・音楽の各カテゴリーに当てはまるものであれば検索・復元することが可能。カテゴリーごとに、復元したいファイルの拡張子を個別に指定することも可能で、例えば「画像ファイルのJPEG/TIFF/PNG/BMPファイルだけを復元する」といったことができる。登録されている拡張子は数多く、全部で70種類以上にも上る。画像ファイルでは、一般的な画像形式はもちろん、NEF/CR2といったデジタルカメラのRAWファイルにも対応する。

ディスクのスキャン方法は、単純な誤消去などに対応する「高速スキャン」と、フォーマットなどによる消去にも対応する「詳細スキャン」から選択できる。さらに詳細スキャンでは、クラスタ単位でのスキャンと、より詳細なセクタ単位のスキャンを選択できるようになっている。

検索されたファイルは、見つかったファイルの種類（カテゴリー）ごと、拡張子ごとに分類され、エクスプローラ風に一覧表示される。ファイルの更新年月日ごとに分類表示させることも可能。一覧から選択するだけでファイルを復元できる。

復元ファイルの選択画面では、静止画や動画ファイルの場合、ファイルを復元させる前に、プレビューで内容を確認できる（動画ファイルはプレビューが静止画像となる）。MP3などの音楽ファイルは、復元前に試聴することが可能だ。

そんなときに役に立つのが「フォトリカバリー8.0」。失われたファイルを復元するアンデリートソフトだが、デジタルカメラで撮影された画像などに特化されているのが特徴だ。なぜ、そんな専用機能が必要かといえば、実はデジタルカメラ画像には、特有ともいえる問題があるからだ。第一に、デジタルカメラで撮影された画像は通常、「DSC_xxxx.jpg」などのように単なる連番ファイルであり、ファイル名から内容は判別できない。しかも最近はメモリカードの低価格化もあり、1枚のカードに記録される画像数は非常に多い。大量の連番ファイルの中から目的とする画像を探すには、効率のよいファイル選択方法、すなわちプレビュー機能が不可欠だ。

第二に、デジタルカメラのメモリカードでは、すべてのファイルが一気に失われる“アンフォーマット”状態に陥ることがあるということだ。幸いにも筆者は経験がないが、デジタルカメラの機種によっては、何の前触れもなくメモリカードがアンフォーマット状態になることもあるという。そうした場合は単純なアンデリートではなく、アンフォーマット状態からでも復元できる機能が必要だ。

要するに「フォトリカバリー8.0」は、デジタルカメラ全盛のいま、登場すべくして登場したソフトなのだ。大切なデータを失って泣かないためにも、ぜひとも備えておきたい。

開発中に苦労した点
デジカメの進歩は著しく、あっという間に1,000万画素数のデジカメがハイエンドのスタンダードとなってしまいました。それにつれてデジカメ写真を保存するメディアの容量も大容量化し、ギガバイトが当たり前となりました。しかしそのことで、消えた画像を復元するソフトにおいては、メディアをスキャンする時間が増えて、写真を取り戻すのに待つ時間が長くなってしまうという問題が生まれてしまいました。

待ち時間を短くするために、復元技術のコアとなっているスキャンエンジンを改良するのに苦労しました。さまざまな角度からスキャンエンジンを見直した結果、従来の2倍以上の速さでスキャンすることに成功したのです！

ユーザにお勧めする使い方
デジカメ写真が消えてしまった場合、慌てていろいろな操作をする前に、デジカメの電源を切ったあと「フォトリカバリー8.0」を使って、すぐに画像の復元を試してください。デジカメで別の写真を撮ったり、他の操作をすればするほど、思い出の写真が復元できなくなってしまいます。

今後のバージョンアップ予定
「フォトリカバリー8.0」を使っていただいたユーザのみなさまからのご意見をもとに、さらによいソフトにしてゆきたいと思います。