簡単な操作でパソコン環境を移行できる“パソコン引越しソフト”。選択したアプリケーションのみを移行することも可能。「ファイナルパソコン引越し 3.0 PRO」は、ウィザードに従って数回マウスクリックするだけで、パソコン環境を移行できる「ファイナルパソコン引越し」シリーズの新バージョン。データやアプリケーションを含むWindowsの環境をまるごと別のパソコンに移せるのはもちろん、選択したアプリケーションの移行やドライブ単位での移行、さらにはフォルダ単位での移行も新たに可能になった。
移行できるのは、基本的にはOS以外の情報。例えば、
- 移行元のパソコンにインストールされたアプリケーションや設定情報
- 文書ファイルやデータファイル
- Windowsのカスタマイズ設定
など。例えばブラウザの「お気に入り」や、ユーザ名とパスワード、レジストリなども移行できる。パソコンを乗り換える場合、移行元/移行先のハードウェア環境が違う場合がほとんどで、ドライバの設定などまでは移行できないが、それ以外のソフトウェアの設定やデータは、ほぼすべてを移行することが可能だ。移行元/移行先のWindowsのバージョンは必ずしも同じである必要はなく、移行先が移行元と同じか、新しければよい。例えば、Windows XPからWindows Vistaに乗り換える場合などにも「ファイナルパソコン引越し 3.0 PRO」を利用できる。データの移行は3種類の方法で行える。(1)専用のUSBケーブルを用いて、USB経由でデータを移行する方法、(2)同様にクロスのイーサネットケーブルを使ってネットワーク経由でデータを移行する方法、(3)もうひとつが、外付けハードディスクやDVD-Rなどの記録メディアを経由してデータを移行する方法だ。移行元と移行先の2台のパソコンを同時に稼動させられる場合は、ケーブルを使って移行する方法が手軽。同じパソコンでOSを乗り換える場合などには、記録メディアを経由するのが便利だ。
移行作業では、移行元/移行先の両方に「ファイナルパソコン引越し 3.0 PRO」をインストールする必要がある。移行元のパソコンで移行対象となるデータを保存し、保存したデータを移行先で展開してコピーするという流れだが、転送されるデータ量をできるだけ抑えるために「スナップショット」と呼ばれる機能を利用することもできる。スナップショットは、移行先のパソコンにすでにインストールされているファイルや設定情報の一覧で、移行元から転送データをリストアップする際に、すでに移行先にあるデータをコピーしないようにできる(移行先のOSがあらかじめ稼動状態になければならないため、同じパソコンでOSを再インストールする場合などには使えない)。
ケーブル接続の場合は、移行先/移行元の順で「ファイナルパソコン引越し 3.0 PRO」を起動すれば、あとは転送すべき項目を指定するだけで、自動的にデータの転送と転送されたデータのセットアップが行われる。
移行するデータは、移行元のパソコンで自由に選択できる。アプリケーション単位やドライブ単位、フォルダ単位などで移行することが可能。Webブラウザは、Internet Explorerはもちろん、Firefoxにも対応する。メールソフトでは、Outlook/Outlook Express、Mozilla Thunderbirdなどのメールデータを移行できる。Outlook Expressは、Windows Vistaでは「Windowsメール」に更新されているが、これらも自動的にデータ形式が変換される。さらにオプションで、スパイウェアと思われるソフトは自動的に移行を禁止することも可能だ。
データの移行後は、移行先のパソコンを再起動すれば、新しい環境をそのまま利用できるようになる。どのファイルをコピーし、どのような変更を行ったかはログとして記録され、万が一移行後に問題が見つかった場合でも、Undo機能で移行前の状態に戻すことが可能だ。