パスワードと暗号化を利用したデータの保護、メールやInternet Explorerなどの環境設定の持ち出し、バックアップと同期、USBデバイスの暗号化など、多彩な機能を持つ“USB安全活用”ユーティリティ。「USB安全活用マスター」は、(USBフラッシュメモリなどの)USB接続によるストレージデバイス(USBディスク)の内容を暗号化してパスワードで保護したり、データの持ち運びを安全に行ったりできるようにする統合ソフト。
- USBディスク内のデータを暗号化する「USB暗号化マスター」
- USBディスクを、データのバックアップおよび同期に利用する「USBバックアップマスター」
- USBディスクを用いてメインマシンのデータや設定項目を持ち出し、外部のマシンでもメインマシンと同様の環境を実現する「USBデータキャリーマスター」
の3製品から構成される。「USB暗号化マスター」は、USBディスク全体を丸ごと暗号化することで、中身のファイルを保護するツール。暗号化されたUSBディスクは、「USB暗号化マスター」を起動してパスワードを入力しないと、Windowsから正しく認識されず、アクセスできなくなる。ファイルシステムはFAT32/NTFSに対応。複数台のUSBディスクを暗号化して、同時にマウントすることもできる。
「USBバックアップマスター」は、USBディスクを用いて、メインマシン上のデータのバックアップ/同期(シンクロナイズ)とリストアを簡単に行えるツール。バックアップ/同期ともに、メインマシン上の複数のデータを圧縮し、イメージファイルとしてUSBディスクにコピーする。さらにパスワードを設定して、イメージファイルが暗号化することが可能で、圧縮+暗号化により、不正なアクセスからデータを守れるようになっている。
バックアップ機能では、バックアップデータ(イメージファイル)を元データの最新状態に一致させると同時に、変更があった部分(差分データ)の履歴が残される。バックアップデータの更新時には、元データとバックアップデータを比較し、変更部分(差分データ)のイメージを作成する仕組み。変更がない場合にも、差分履歴は残される。
同期機能では、元データで変更があった部分のイメージを作成するとともに、元データとバックアップデータを比較して、更新日時の古いファイルを新しいファイルで上書きする。したがって、常に最新版のみが同期ファイルとして残される(差分データの履歴は残らない)。さらに、「通常モード」「トリムモード」の各オプションを設定することも可能。
- 通常モード:元データとイメージファイルの双方向で、常に最新版ファイルのコピーを行う。一方で削除されたファイルは、同期の際にもう一方からコピーされるので、データを失う心配がない
- トリムモード:元データとイメージファイルのいずれかを基準に、常にそれらの最新状態に合わせるよう、もう一方のデータにファイルのコピー/削除を行う。基準とされた側から削除されたファイルは、同期の際にもう一方からも削除される
バックアップファイルからのリストア操作では、任意のフォルダをリストア先に指定することが可能。フォルダ単位でのリストアのほか、ファイル単位でもリストアすることができる。USBディスクの安全性をより高めるための「完全データ消去機能」も備える。USBディスク上に作成したイメージファイルを、復元不可能な状態にして消去することができる。「USBデータキャリーマスター」は、普段使っているメインマシンのデータを持ち出し、外部のマシンでも同じように利用できるようにしてくれるもの。データのコピーと同時に、そのデータを利用するためのサブアプリケーションをコピーして、持ち出したデータを外部マシンで安全に利用できる環境を構築する。データの持ち出し(チェックアウト)とデータの書き戻し(チェックイン)の操作は、
- 通常利用するメインマシンからリムーバブルディスクに、データとサブアプリケーションをコピーする(チェックアウト)
- 外部マシンに接続してリムーバブルディスクのデータを利用する。更新されたデータとディスク上で行われた変更は、そのディスクに保存される
- メインマシンに再びリムーバブルディスクを接続し、ディスク上で更新されたデータをリストアする(チェックイン)
という流れで行う。外部マシンのサブアプリケーションでは、リムーバブルディスク上のデータを利用できるよう、一時的に設定の切り替えが行われる。また、メインマシンではチェックアウトしたアプリケーションを監視し、チェックアウト中の操作(データ変更など)は、チェックイン時に無効となる。対応するアプリケーションは、Outlook Express/Outlook、IE。マイドキュメント内のデータをチェックアウト/チェックインすることも可能だ。