Blu-rayのオーサリングに対応した動画編集&オーサリングソフト。AVCHDの編集やHDVからの取り込みも行える。「PowerDirector 7 Ultra」は、サイバーリンク社が開発・販売する動画編集ソフト「PowerDirector」シリーズの新バージョン。ユーザインタフェースが改善され、各機能にすばやくアクセスできるようになったほか、オンラインコミュニティサイトとの連携により、素材の追加や共有も行えるようになった(「PowerDirector 7」には、「Ultra」のほかに一部機能が割愛された「Deluxe」がある)。
まず、目を引かれるのが画面の色使い。従来は、白に近い明るいグレーが基調だったものが、黒に近いグレーになった。タイムライン/素材エリア/プレビューの各ウィンドウのサイズなどのカスタマイズも可能になった。編集方式は、ストーリーボード/タイムラインのいずれの方式も利用できる。起動時にどちらの方式で表示するかを設定することも可能だ。
対応するファイル形式は数多い。AVI、WMV、MOV、MPEG-1/2といった一般的なものから、DVD-VRで使われるVRO、MPEG-2 TS、DVR-MS、さらにはビクターの「Everio」で撮影されたMOD/TODといったものにも対応する。著作権保護されていないものであれば、DVD-VRから直接、読み取りを行うことも可能。AVCHDディスクからの直接取り込みも行える。
Webからの素材取り込みは、新バージョンで追加された機能。写真画像はFlickr、音楽/音声はFreesoundなどから直接、取り込むことが可能。豊富な素材を用いた、表現力の高い動画を作成できる。
編集機能は、4:3の標準アスペクトのほか、16:9のワイド編集にも対応する。もちろんHD解像度のファイル(AVCHD、HD MPEG-2、WMV HD)を直接読み込んだり、編集したりすることも可能。編集結果は、HD解像度のままで出力できる。ピクチャインピクチャ(PiP)機能も強化され、最大6トラックまでの同時使用が可能になった。音声編集では、Dolby Digital 5.1chに対応する。
ソフト側で自動的に判断してエフェクトや編集を行える、「PowerDirector」ならではの「Magic Tools」機能も健在だ。
- 入力された動画に応じて自動的にカット編集を行う「MagicCut」
- 静止画にパンやズームといった動きを適用し、動画風に変換する「Magic Motion」
- 手ぶれやホワイトバランス、赤目補正といった撮影時のミスを自動的に修正する「Magic Fix」
- コントラストや明るさ、逆行補正などを自動的に行う「Magic Clean」
- ウィザード形式でほとんどの編集を自動的にこなす「Magic Wizard」
などの機能を利用できる注目の新機能、Blu-rayオーサリングはなかなか強力。BDMV/BDAVいずれの形式も作成できる。BDMVオーサリングでは、メニューを作成することも可能。もちろん1層25GBだけでなく、2層50GBメディアにも対応する。ユニークなところでは「既存のDVDメディアに対してBDMV形式でオーサリングを行う」といったことも可能だ。AVCHDディスクを作成することもできる。
作成可能な解像度は1920×1080のほか、1440×1080。エンコードはMPEG-2のほか、H.264/MPEG-4 AVCにも対応する。音声ではリニアPCMとDolby Digitalを利用することが可能だ。
コミュニティ機能では、「PowerDirector」ユーザ同士が交流できる専用サイト「DirectorZone」を利用することが可能。他のユーザが作成したエフェクトをダウンロードして自分のプロジェクト内で使ったり、独自作成したエフェクトをアップロードしたりといったことができる。