Windowsのシステムディスクを他のハードディスクに丸ごとコピーして、起動ドライブを作成するためのバックアップユーティリティ。「ファイナルハードディスク入れ替え」はその名の通り、ハードディスクの入れ替え時に威力を発揮するソフト。Windowsシステムを含むハードディスク全体を、ほぼ自動的に他のハードディスクにコピーできる。コピー先のハードディスクには、システムのブートセクタや、メーカー製パソコンのリカバリ領域なども含む状態で複製され、ハードディスクを付け替えるだけで、そのままシステムを起動できる。新バージョン「11 PRO」では、Windows Vistaに対応したほか、隠しパーティション対応の拡充やSCSIデバイスへの対応が図られた。
使い方は非常に簡単だ。インストールすると自動的に起動し、現在のシステムドライブの容量とその容量をコピーできる別のハードディスクを検索して、コピーの準備状態に入る。システムドライブを含めて3台以上のハードディスクが接続されている場合は、コピー先を指定する操作が必要になるが、2台だけならコピー元/コピー先とも自動的に決まり、ディスクを指定する操作さえ必要ない。
ハードディスクをパーティション分けして複数の論理ドライブ(例えばC:とD:など)として使用していた場合は、コピー先のハードディスクにも同様のパーティション構成、ドライブレターなどがそのまま再現される。コピー元/コピー先のハードディスクの容量が異なる場合は、元のハードディスクと同じ比率で、それぞれのパーティション容量が自動的に決定される。必要に応じて、手動で新しいハードディスクのパーティション容量を決めることもできる。
一部のメーカー製パソコンで使われるリカバリ用の隠しパーティションにも対応する。隠しパーティションを無視してコピーすると、コピー先のハードディスクでWindowsが起動できなくなることもあるが、「ファイナルハードディスク入れ替え 11 PRO」なら、隠しパーティションごと新しいハードディスクに複製できるため、こうした問題も起きない。
コピーが終了したら、コピー元の古いハードディスクを取り外し、新しいハードディスクを同じ場所に取り付ければ、新しいハードディスクからそのままWindowsを起動できる。初回起動時には新しいハードディスク内の各パーティションに対して自動的にコピー元と同じドライブレターが割り当てられるほか、レジストリやファイルの整合性チェックによる動作確認が行われる。さらには、コピーのためにインストールした「ファイナルハードディスク入れ替え 11 PRO」自身も自動的にアンインストールされ、ディスク入れ替え前と(ディスク容量以外は)完全に同じ環境が再現される。
コピーが終了したあとでも、ハードディスクを入れ替えるまでは、コピー元のハードディスク内のシステムはそのまま使い続けることができる。また、コピーは何度も繰り返し行えるため、例えば定期的にコピーを繰り返すようにしておけば、コピー元のハードディスクがクラッシュした場合などにすぐさまハードディスクを入れ替えて回復する「ディザスタリカバリ」としても使える。
コピー先の新しいハードディスクは、入れ替え時にコピー元のハードディスクとまったく同じインタフェースに接続しなければならない。ただし、コピー自体にはこの制限はなく、例えば「USB-IDE変換アダプタなどを使って新しいハードディスクをUSB接続し、コピー作業を行ったあと、アダプタを取り除いてIDEインタフェースにそのハードディスクを取り付けて起動する」といったこともできる。
コピー先として使用できるディスクのインタフェースは、IDEやシリアルATA(SATA)のほか、USB、IEEE 1394、PCMCIA、SCSIなどと数多い。「11 PRO」からはWindows Vistaにも対応し、対応OSはWindows Vista/XP/2000になった。