「Voralent FluxBase（ヴォラーレン・フラックスベース）」は、動画や画像を貼り込んだオリジナルの用語集や辞書を、簡単な操作で作成・管理できるソフト。HTMLタグを利用することが可能で、文字サイズ、文字色などの文字装飾や表組を使うことができる。複数の用語集・辞書（ブックファイル）を同時に管理・閲覧することも可能。同一ブックファイル内での自動リンク機能なども備えている。

メイン画面は、メールソフト風の3ペイン構成。左ペインには開いているブックファイルのリスト、右上には選択しているブックファイルのページリストが表示され、右下のペインでページの表示と編集を行う仕組み。ページの表示と編集はタブで切り替える。

ページの編集画面では「タイトル」「サブタイトル」「グループ」「内容」の各項目を入力できる（項目名称は初期状態でそれぞれ「語句」「読み」「グループ」「意味」となっているが、ユーザがカスタマイズできる）。ページに画像を貼り付けることも可能。画像の登録は、画面右側の画像ステージにファイルをドラッグ＆ドロップするだけでよい。キャプションも付けられる。

「内容」では、HTMLタグを使用することが可能。動画などのオブジェクトを挿入したり、Web上の画像にリンクを張ったりといったことができる。もちろん文字の修飾や水平線、表組（テーブル）などを表示させることも可能だ。WebページへのリンクはHTMLタグが不要で、URLを記述するだけで自動的にリンクされる。さらに、「内容」内の文字列に同一ブックファイルのタイトルに一致するものがある場合は、自動でそのページにもリンクが張られる。

Wikipediaやgoo辞書、Weblioといったインターネット上の百科事典・辞書へのダイレクトサーチ機能も備える。検索結果は「表示」タブに表示され、そこから必要な部分をコピーするなどしてページを作ることができる。各辞書サイトをWebブラウザで開くことも可能だ。

さらに、現在開いているブックファイルを対象に、キーワード検索を行うことも可能。画面右上の検索ボックスにキーワードを入力すると、ヒットしたページがインクリメンタルに表示される。

外部（Web）ページへの自動リンクもそうだが、便利なのは同一ブックファイル内ページへの自動リンク機能。関連するページを次々と辿ってゆくことができる。Wikipediaやgoo辞書をダイレクトサーチで参照できるのも、ページ編集の効率を大きく向上させてくれる。

ただ、細かいところをでは、いくつか改良の余地はあるだろう。例えば、編集を反映させるには「登録」ボタンを押さなければならないのだが、「表示」に反映されるだけで、編集内容は「保存」されない。保存するには別に「保存」を実行しなければならない。これはどちらか一方でよいのではないだろうか。「登録」ボタンを押させるのなら、その時点で同時に保存する、あるいは「登録」ボタンなしで「表示」に反映させて、「保存」は別に実行するといった具合だ。また、ダイレクトサーチで文字列の確定と同時に検索が実行されるのも、最初は戸惑った。ここは文字列の確定とサーチの実行と二段階にしてもよいのではないかと感じた。

とはいえ、全体的にはよくできたおもしろいソフトで、用語集や辞書に限らず、工夫次第でいろいろな目的で使うことができるだろう。