Blu-rayへの出力・書き込みにも対応した“定番”MPEGカット編集ソフト。HD(High Definition)映像をそのままBlu-ray Discに出力して楽しめる。「TMPGEnc MPEG Editor」は、軽快なカット編集と高度なエンコード機能で定評のある動画編集ソフト。2年半ぶりの新バージョン「3.0」では、ハイビジョン編集対応として、Blu-rayへの出力・書き込み機能を新たに搭載。SDサイズ以内のMPEGファイルをDVD-Video形式に出力・書き込みできる「EASY DVD-Videoオーサリング」も追加された。さらに、映像の描写速度が向上するなど、HD編集をより行いやすくなっている。トランシジョンエフェクトも強化された。
読み込み可能な動画形式は従来同様、MPEG-1/MPEG-2。一般的なテレビキャプチャボードで作成されるごく普通のMPEG-2ファイルはもちろん、エレメンタリストリーム/トランスポートストリームといった特殊なMPEGも読み込める。さらに、HDVやHP@HLといった「フルHD解像度」のハイビジョン動画にも対応。ビクターのハードディスクムービー「Everio(エブリオ)」の動画ファイルや、ソニーの「Giga Pocket」動画、BuffaloのPCastTV2など、MPEG形式を採用した各社の動画データに対応する。
編集機能も大幅に強化された。カット編集では、従来より好評だった1クリップ内で一度に多数のカットポイントを設定する「マルチカット」機能が強化された。編集画面はハイビジョンの16:9に完全対応。独自開発による「Intuitive Draw Technology」で、編集中の映像描画速度が大幅に向上したことにより、従来比4倍というHD解像度でもストレスなくカット編集を行える。
定評のある高速スクロールは「3.0」でも健在。新たに対応した音声波形の表示機能により、映像だけでなく、音声の切り替わりポイントも簡単に見つけられるようになった。ボタンデザインなどのユーザインタフェースも従来同様、わかりやすく直感的に操作できる。
クリップ同士の接続点では、高画質なトランジションエフェクトを適用できるようになった。エフェクトは170種類以上が用意され、アイコンによるエフェクトプレビューのほか、実画像を用いたプレビューもリアルタイムで快適に動作する。もちろんトランジションエフェクトプレビューもHD解像度対応だ。
出力では、高性能なMPEGエンコード機能を生かしたMPEGファイルの作成が可能。従来のSD解像度はもちろん、入力としてHD動画を指定した場合、HDからHDへのトランスコード出力も行える。再エンコードが必要かどうかを自動判断して、最小限のエンコード時間で処理する「スマートレンダリング」も、もちろん利用できる。さらに、インターコム社のトランスコードエンジンを搭載することで、画質劣化を最小限に抑えながらビットレートも抑えるトランスコードも可能。このトランスコード機能は、DVD出力やBlu-ray出力でも利用できる。
SD動画の出力では、従来からのDVD-Video/DVD-VR形式への出力がに加え、「3.0」では新たにBlu-rayディスクへのライティングにも対応した。対応するのはBDAV形式で、既存ディスクへの追記などは行えないが、ハイビジョン動画をBD-RおよびBD-REメディアに書き込み、Blu-rayレコーダやPLAYSTATION 3などで再生することが可能だ。
BDAV出力時のエンコード形式はMPEG-2(CBR/VBR/VBR(トランスコード))で、音声設定はMPEG-1 Audio Layer 2、Linear PCM、Dolby Digitalに対応する。もちろんソフト内部から直接、BD-R/REに書き出すこともできる。