言葉を選んで、文書を書き、体裁を整えて、印刷する──文書作成をあらゆる場面でサポートしてくれる日本語ワープロソフト。「一太郎」は、日本語文書を書くために、さまざまな工夫が施された高機能ワープロソフト。用途に対応した五つの「フェーズ」を切り替えながら、文書を作成することができる。新バージョン「2008」では、Windows Vista標準搭載のフォント異字体への対応、マウスジェスチャ機能の追加、添削・校正機能の強化、辞書検索・Web検索機能の充実、Microsoft Word文書との互換性の向上などが図られた。日本語入力システム「ATOK2008」も搭載する。
大きな特徴のひとつが、文書作成のシーンごとにインタフェースを替えられる五つの「フェーズ」。
- 軽快なテキストエディタとして動作する「エディタフェーズ」
- 階層構造で文章の構成を練り上げる「アウトラインフェーズ」
- 文字修飾や図や画像で体裁を整える「基本編集フェーズ」
- 校正やセキュリティ設定を行う「提出確認フェーズ」
- 印刷結果と同じ状態で文書を閲覧できる「ビューアフェーズ」
新バージョンでは、「エディタフェーズ」で「連番自動変換」や「行番号表示」、「アウトラインフェーズ」では「本文の表示位置切り替え」や「画像枠表示」、「ビューアフェーズ」で「複数ページ表示」などの機能が追加され、より使いやすくなった。添削機能では「添削専用画面」が追加され、添削情報が吹き出しで表示されるなど、添削コメントが見やすくなった。作成者と添削者のコメントのやり取りも可能だ。校正エンジンも強化され、より精度の高い校正を行えるようになった。
辞書機能では、カーソル位置にある漢字の異体字、読み、文字コードなどを「ナレッジウィンドウ」に表示させることができるようになった。また、選択中の辞書でヒットせず、それ以外の辞書でヒットした場合には自動的に切り替わるなど、正確で豊かな日本語表現を実現できる。
Webとの連携も強化された。Webページの選択文字列を右クリックして、直接「一太郎」に取り込むことができるようになったほか、ツールバーのヘルプ検索窓からのWeb検索も可能になった。文書中の文字列をWeb検索するときの検索エンジンも従来の「Google」に加え、新たに「Yahoo! JAPAN」と「goo」が追加された。
「マウスジェスチャ」は、右ボタンをクリックした状態でのマウスの動きやホイールの回転で「一太郎」を操作できる機能。フェーズの変更や文書の切り替え、画面倍率の変更をマウスの動きだけで行える。
そのほかにも、ページ全体に囲み線や背景色、影を設定できる「ページ飾り」、画像の挿入時の操作性を向上させた「画像パレット」といった機能が追加された。Microsoft Word文書との互換性の向上も図られ、罫線表を使った文書などの再現性がアップした。Word 2007形式文書の読み込みにも対応した。