既存のPDFファイルに文字を入力したり、図形を描いたりできるようにしてくれるソフト。テキストボックスを使って計算を行ったり、ExcelやCSV形式のデータを差し込み表示させたりすることも可能。「書けまっせ!!PDF3 プロフェッショナル」は、既存のファイルを下地に、その上にテキストを入力したり、図形の描画や画像を貼り付けを行ったりできるようにするソフト。PDF形式で配布されている書類に、ドローツールの要領でテキストボックスを描いて文字を入力するといったことができる。PDFの内容を画像化して透明な画像シートを被せるようにすることで、編集禁止のPDFファイルに対しても書き込みを行うことが可能。「書けまっせ!!PDF」シリーズの新バージョンで、インタフェースが改良されたほか、独自のテキスト入力コントロールとPDF出力ライブラリが導入され、従来以上に使い勝手、処理速度が向上した。
下地(用紙とも呼ばれる)となるPDFファイルは、拡大・縮小したり、回転させたりすることもできる。下地として利用できる画像形式はBMP/GIF/JPEG/PNG/WMF/EMF。スキャナから画像を読み込んで直接、下地を作成することも可能だ。
下地の指定が終わったら、描画ツールを使ってテキストボックスや図形を配置する。下地がPDFファイルの場合は、描かれている罫線を自動認識し、その大きさに合わせたテキストボックスを自動作成させることもできる。
テキストボックスには背景色や輪郭線の色、線種などを指定できるほか、データの種類として文字、数値、通貨、日付、電話番号、パーセントなどの表示形式も設定することが可能。小数部の桁数や位取りのカンマを指定したり、日付を西暦や元号で表示させたりといったこともできる。
さらに、テキストボックスに与えられているオブジェクト名を利用して、計算式を設定することも可能。式入力支援用のダイアログボックスも備えている。式入力支援用ダイアログボックスに関数を入力することも可能で、合計や平均のほか、日付・時刻や条件判断のためのIF関数などを利用できる。そのほか、テキストボックス内の余白や文字の配置、縦書きなどを指定することも可能だ。
テキストボックス以外では、直線、曲線、矩形、楕円、チェックマークなどを描くことができる。また「修正テープ」ツールを使えば、下地に残っている不要な文字を隠すこともできる。
承認用などの印鑑を押すことも可能だ。形状(丸、角、角丸など)や大きさなどは、ユーザがカスタマイズできる。日付印や認印を利用することもでき、認印は名前入りのほかに「領収」「済」「極秘」「回覧」「見本」など、さまざまなパターンが用意されている。作成した陰影は「データトレー」から簡単に挿入できるようになっている。データトレーには、陰影以外にもよく使う名前や住所などのテキストデータや画像を登録しておける。
作成した書類は、独自のプロジェクトファイル(WPP形式)または新たなPDFファイルとして保存・出力できる(Adobe Acrobatは不要)。印刷時には、下地のPDFファイルとともに印刷することも、ユーザが追加したテキストや図形だけを印刷することもできるようになっている。
そのほかにも、
- Excel形式やCSV形式のデータを読み込んで、自動的に挿入する差込フィールド機能
- ユーザが追加したテキストなどはそのままに、下地のPDFファイルだけを差し替える機能
などもある。プロフェッショナル版のほかに、画像ファイルの使用やスキャナからの読み込み、計算式の設定、差込枠といった機能が省かれたスタンダード版も用意されている。