“デジタルメディア総合ソフト”「Nero」シリーズの新バージョン。「Nero 8」は、CD/DVDライティングソフトを中心に、計20種類以上のアプリケーションが統合されたデジタルメディアソフト。映像、音声の取り込みから編集、ディスクへの書き込みまでを一貫して行える。CD/DVDといった従来メディアだけでなく、次世代ディスクと呼ばれるBlu-ray/HD DVDのオーサリングや書き込みにも対応する(HD DVD-ROMの再生およびオーサリングには別売のプラグインが必要)。
新バージョンでの特徴のひとつが、ランチャ「Nero StartSmart」の強化。よく使われる機能をすばやく、簡単に実行できるようになった。例えば、データディスクの書き込みやオーディオCDの作成、オーディオCDのリッピングなどは「Nero StartSmart」だけで操作することが可能だ。
もちろん、個別のアプリケーションを独立して起動することも可能。起動アイコンの表示/非表示はユーザが自由に設定できる。スタートページ以外は、「リッピングと書き込み」「作成と編集」「ホームエンターテイメント」のように機能がグループ化され、タブ切り替えで利用できるようになっており、従来に比べて目的のアプリケーションを見つけやすくなった。
新機能も充実している。「Nero RescueAgent」は、物理的に傷ついたディスクや経年劣化で読み取りエラーが生じるディスクなどからデータを読み出すための機能。リードエラーに邪魔されず、可能な限りデータを取り出せる。
「SecurDisc」は、日立LGデータストレージ社とNero社が共同開発したデータ保護・セキュリティ技術。SecurDisc対応ドライブと「Nero 8」を組み合わせることで、記録されるデータの暗号化や冗長性を確保できるほか、デジタル署名などを使って記録データの信頼性・安全性を高めることができる。
従来から定評のあるマルチメディア/ライティング機能は、「Nero 8」でも引き続き利用できる。「Nero Burning ROM」「Nero Express」は、実績あるエンジンが搭載されたライティングソフト。CD/DVDはもちろん、新たにBlu-ray/HD DVDに対応する。「Nero Express」は、ウィザードを利用して簡単に利用できる初心者向け。上級者は「Nero Burning ROM」で詳細な設定を行って書き込みできる。
「Nero ShowTime」「Nero Home」は、パソコン上のデータやCD/DVDなどに含まれる動画・音声を再生できるデジタルデータ再生ソフト。市販のDVDソフトはもちろん、デジタル放送を録画した著作権保護付きのCPRMディスクや、最新の動画コーデックH.264/MPEG-4 AVCの再生にも対応する。パソコンでの再生に向く「Nero ShowTime」と、テレビと同様の感覚でのリモコン操作が可能な10フィートGUIの採用された「Nero Home」が用意されている。「Nero Home」では2画面表示も可能だ。
動画編集/オーサリングソフト「Nero Vision」では、通常解像度はもちろん、HDV映像の取り込みや編集も可能。DVDメニューの作成用テンプレートが付属し、動きのあるメニューを簡単に作成できる。
「Nero Recode」では、AVIやMPEG-1/2のみならず、MPEG-4 AVC/H.264/3GPP/メモリースティックビデオなど、さまざまな動画形式でのエンコードが可能。独自エンジンにより、高画質かつ高速なエンコードを行える。iPod/PSPなどの形式での出力も可能で、変換済みデータを対応機器に直接転送できる。
「Nero BackItUp」は、ハードディスク内のファイルを別のメディアに保存するためのバックアップソフト。フルバックアップと差分バックアップが行える。Blu-rayやHD DVDメディアをバックアップ先に指定でき、大容量のファイルもバックアップできる。バックアップメディアのパスワード保護や暗号化、ブータブルメディアの作成も可能だ。
「Nero SoundTrax」は、最大7.1chのマルチチャンネル編集に対応するサウンドミキサ。「Nero WaveEditor」では、波形データを見ながらPCMの音を直接編集できる。
「Nero MediaHome」は、パソコンに保存されたメディアファイルをネットワーク上の他のパソコンに配信できるメディアサーバ。パソコンのほか、UPnPに対応した再生機器にも配信できる。リアルタイムトランスコーディング機能を搭載し、再生機器側の対応形式に自動変換しながら配信することも可能だ。