「KIKI」は、複数のページをツリービューから切り替えられるWebブラウザ。IEコンポーネントを利用している。大きな特徴は、ページのリンク構造をツリー表示すること。数多くのページを開いたときにも、ページ間の関係がわかりやすい。ウィンドウはSDI形式だが、「ブラウザツリー」のリストを使って、複数のページを切り替えながら閲覧できる。

画面デザインはシンプルで、直感的に操作できる。ソフトの特徴になっている「ブラウザツリー」は、アドレスバーでWebページのURI（URL）を直接入力するか、メニューの「新規作成」でページを開くと、ブラウザツリーのリストに新しい「ノード」が追加され、ページが読み込まれるというもの。ブラウザツリー上のノードをクリックすることで、簡単にページを切り替えられるようになっている。

「ページを固定」オプションをONにしておくと、ページ内のリンクをクリックしたときに、新しいノードで開かれる（初期設定）。このときリンク先のページは、ブラウザツリー上では「子」ノードとなる。「子」ノードからさらにリンクをクリックすれば「孫」ノードへ……というように、ページ間のリンク関係はツリー状の階層構造で表される。「ページを固定」オプションは、親となるノードごとに指定することが可能。例えば、最初に2ページを開いておき、一方は「ページを固定」を指定せず、リンクをクリックするたびに元のページに読み込み、もう一方は「ページを固定」してリンク先をツリー状に表示するといった使い分けができる。

ブラウザツリーでは、任意のページやすべてのページを閉じることができるほか、選択中のページの「子」だけを閉じたり、選択中のページと子ページをまとめて閉じることも可能。ブラウザツリー自体を非表示にしたり、一般的なタブ形式に切り替えて使ったりすることもできる。

ブラウザツリーと並ぶもうひとつの特徴が「ダイレクトリクエスト」ツールバー。Yahoo!ツールバーやGoogleツールバーに似た検索用バーで、「Google（日本語）」「駅前探検（乗換案内）」「Excite（ページ和訳）」「Wikipedia」をはじめ、多彩な検索オプションを利用できる。標準で添付されているリストのほかにも、「KIKI」のホームページに用意されたリストを、ユーザが追加することも可能だ。

「KIKI」のブラウザツリーは、そんなシチュエーションにぴったりのブラウザだ。「ページを固定」オプションを使ってツリー表示にすれば、どのノードがどの系統のツリーに属しているかひと目でわかる。どの順番にタブを開いたかではなく、ページのリンク構造にもとづいたツリー表示なので、とてもわかりやすい。途中のページに戻って読み返すのも簡単だ。異なるキーワードでWebを検索し、その結果を見比べたことがある人なら、この便利さはすぐに実感してもらえるだろう。

そのほかでは「ダイレクトリクエスト」ツールバーにも注目だ。検索結果のページでヒットした文字をマーキングしてくれるというのはよくある機能だが、「KIKI」の場合は、ワンタッチで文字列検索もできる点がユニークだ。「ダイレクトリクエスト」のコンボボックスに検索語を入力すると、それが自動的に検索ボタンとして追加され、ボタンをクリックするたびにページ上で順次文字列検索を行い、マッチした文字列にジャンプしてくれる。

そのほかにもセキュリティ設定などの特徴はあるが、筆者としてはとにかくこの操作性をプッシュしたい。従来のタブブラウザに飽き足りなかった方は、ぜひ一度お試しを。

シンプルで軽快に動くソフトウェアが好きなので、「KIKI」もそうありたいと思っています。一方で、機能を増やすことで便利になることも事実です。このバランスをうまく取りながら開発を続けられたらと考えています。「KIKI」を少しでも便利だと思って使っていただけたら幸いです。