ハイビジョン対応のビデオ編集ソフト「Ulead VideoStudio」シリーズの上位版。既発売の「VideoStudio 11」に多数のハイビジョン機能が追加された。「VideoStudio 11 Plus」は、HD対応動画編集ソフト「VideoStudio 11」の機能強化版。「VideoStudio 11」の機能はそのままに、AVCHDのオーサリング、Blu-ray Discメニューのオーサリング、HD DVDのオーサリングが可能になった。さらに、YouTubeへのアップロード機能も追加された。「おまかせモード」のテンプレート数なども強化された。
「Plus」での機能強化点の第一は、AVCHDへの対応が強化されたこと。既存バージョンでもAVCHDから動画データの取り込みとハイビジョン解像度での編集は可能であったが、「Plus」ではさらに、AVCHDのままで従来DVDに書き込む「AVCHDディスク」を作成できるようになった。高価なBlu-rayディスクを必要とせず、従来のDVD-Rを使用することが可能で、安価にハイビジョンディスクを作成できる。
AVCHDから取り込んだ動画を編集してAVCHDディスクに出力する場合には、スマートレンダリングが有効となる。通常、AVCHDで使われるH.264のエンコードは、高性能なCPUを使っても時間がかかるが、「Plus」では、編集加工した部分だけを再エンコードすればすむ。短時間で高解像度ファイルを出力することが可能だ。
作成したAVCHDディスクは、PLAYSTATION 3やBlu-rayレコーダでハイビジョン解像度のまま再生することが可能。付属のDVD再生ソフト「WinDVD 8 Silver」を使えば、パソコンでも再生できる(ただし、8cmDVDに出力してもAVCHDカメラでは再生することはできない)。
第二の機能強化点は、ハイビジョンディスクの作成機能が充実したこと。従来は「DVD MovieWriter」シリーズのみ可能だったBlu-rayディスクやHD DVDディスクのオーサリングにも新たに対応した。HD DVDではもちろん、Blu-rayでもユーザ独自のメニューを作成できる「BDMV」形式での編集も行える。
Blu-ray/HD DVDの場合も、AVCHDやHDVカメラからインポートしたハイビジョンソースを、ハイビジョン解像度のまま編集できる。編集結果の書き出しは、Blu-rayディスクの場合はBD-R/RWに、HD DVDではHD DVD-Rのほか、通常のDVD-RにHD DVD形式での書き出しが行える。
作成したディスクは、パソコンでは「WinDVD 8 Platinum」(別売)で再生することが可能。Blu-rayの場合は、PLAYSTATION 3やBlu-rayレコーダでも再生できる(ただし一部の機種ではメニュー付きのディスクは再生できない)。
AVCHDディスクの作成にあわせて、ファイル出力の場合も、H.264形式の動画ファイルを作成できるようになった。解像度は1440×1080/1920×1080に対応する。
おもしろいところでは、編集結果を動画共有サイト「You Tube」に直接アップロードできる機能が加わった。この場合、編集した動画は、You Tubeが対応する動画形式に自動エンコードされる。
さらに、オーサリングに必要となるメニューテンプレートやフラッシュアニメーションも強化された。「VideoStudio 11」と比較してDVDメニューが20、おまかせモードが8、フラッシュアニメーションが20増えた。