ハードディスクの故障状況監視とバックアップがの両機能が連携して動作するソフト。「SmartHDD PCcare」は、ハードディスクの故障の進行状況に応じてバックアップを自動実行する機能を持つソフト。S.M.A.R.T.(Self-Monitoring Analysis and Reporting Technology)と連携した「スマートバックアップ」により、スケジュール設定にかかわりなく、故障状況に応じてバックアップが実行される。故障が予想されるディスクに対して頻度の高いバックアップを実行することで、データ損失の可能性を低下させることができる。
ハードディスクの健康状況診断では、ハードディスクの返すS.M.A.R.T.情報を読み取り、画面上にグラフィカルに表示する。画面には現在のパラメータ値に加えて、故障と判断される限界値も表示され、各属性ごとに現在の状況がひと目でわかるようになっている。
情報は総合的に判断され、ドライブの状態はパーセンテージでわかりやすく表示される。難しいパラメータではなく、最良値を100としたパーセントで表示されるため、知識のないユーザでもすぐに理解できる。さらに、「SmartHDD PCcare」による評価コメントやドライブ名、全体容量と空き容量、温度、故障予想日なども表示される。特に空き容量では、過去の履歴をさかのぼって推移グラフを表示させることができる。
S.M.A.R.T.の個別パラメータごとに推移グラフを表示させることも可能。グラフには、これまでの推移から想定される状況予測も表示される。劣化傾向をグラフで確認できる上、具体的にいつ故障するのかを判断する材料にもなる。ドライブ寿命に大きな影響を与える「温度」も定期的に記録され、グラフ化してくれる。日中、温度が上がりがちな時間帯なども簡単にわかる。
ドライブの故障が発見された場合や、あらかじめ設定した温度を超えた場合などにユーザに自動通知する機能もある。指定したアドレスへのメール送信、バルーン表示、サウンド再生などで通知してくれる。温度上昇の場合には、自動的にシャットダウン/スタンバイ/休止などをさせることも可能で、致命的なドライブ破壊を防止できる。
バックアップは、フォルダ/ファイル単位で対象を指定する。マイドキュメント、デスクトップ、メール(Outlook Expressの送受信メールやアドレス帳)、Internet Explorerのお気に入りなどのさまざまなデータをバックアップできる。指定フォルダの文書、写真、動画、表計算といった「ファイルの種類」でフィルタリングを行うことも可能だ。バックアップは、フルバックアップのほか、前回のバックアップからの差分バックアップにも対応する。復元時には、最大100世代前のバックアップまで遡ってリストアを行える。バックアップ先としては、ローカルマシン上の他のフォルダ(ドライブ)のほか、ネットワークディスク(NAS)やFTPサーバなどを指定できる。
バックアップスケジュールは日時や曜日、週単位で指定できるほか、ログオン時やシャットダウン時などを指定することも可能。さまざまなタイミングでバックアップを実行できる。
最大の特徴が、ハードディスクの故障状況と連動してバックアップが自動実行されること。「スマートバックアップ」と呼ばれるこの機能は、発熱や性能劣化などでハードディスクの故障が近いと判断された際に、指定されたスケジュールにかかわりなく、高い頻度でバックアップを行うもの。データが失われる可能性が発見された場合に、できるだけ急いでバックアップを行う。普段はバックアップ頻度を低く設定していても、万が一の時にデータを失う可能性が激減する。
そのほかにも、不要と思われるファイルを自動的に削除する「全自動クリーナー」、定期的に自動でフラグを行う「スケジュールデフラグ」などの機能を搭載する。パソコンに関するさまざまなリソース情報を収集して表示することも可能だ。