写真のコメントやアプリケーションの動きの解説といった「注釈」を、簡単な操作で画像に挿入できる“注釈ソフト”。「anno」は、画像に図形や文字による説明・解説を入れたり、モザイク処理やぼかし、一部分の拡大表示といった簡単な画像加工をしたりなど、画像に注釈を付けることに特化した画像編集ソフト。キャプチャ機能で取り込んだ画像や既存のデジカメ写真などに対して、簡単な操作で注釈を付けられる。簡易ドロー機能なども備えている。
画像に、注釈を挿入するために用意されたツールは、
- 線──直線、(左向き/右向き/両方の)矢印付き直線・曲線、多角形
- 文字枠──文字の挿入。枠は四角/楕円/角丸四角から選択できる
- パス(自由線)──マウスドラッグの軌跡で自由な線を挿入
- 番号──丸付き数字。挿入順に連番が付けられる(番号の編集も可能)
- 文字記号──【command】/【shift】/【control】/【option】/【delete】などのキートップのほか、丸印、バツ印、スター、ハート、チェックマーク
など。線や文字枠の色は任意で設定することが可能。カラー設定では「Appleカラー」「Systemカラー」のほか、Webページで正しく色表現できる「Webセーフカラー」のカラーリストを使用できる。線または文字枠線の幅や、文字枠内のフォント/サイズ/スタイルや文字揃え(左/右/中央)も任意に設定することが可能だ。注釈要素は「オブジェクト」として扱われ、描画後にいつでも編集することが可能。配置も変更できる。オブジェクトは、レイヤ(階層)で管理され、前面・背面に送ることができる。また、複数のオブジェクトの整列(上/下/左/右の端揃え、上下/左右の中心揃え)や文字サイズの統一(サイズ揃え)も可能だ。
画像加工機能としては、
- フィルタ:選択範囲(矩形)へのモザイク/ぼかし処理
- 虫眼鏡:選択範囲(矩形または円)を引用し、その拡大画像を任意の位置に表示
がある。画面は、ツールバーを備えたメイン画面に加え、「カラーパネル(Mac OS標準のもの)」「スタイルパネル」「オブジェクトパネル」の3枚のフローティングパネルから構成される。オブジェクトパネルは、すべてのオブジェクトを種類別にまとめたもの。ドラッグ&ドロップで任意のオブジェクトを配置できる。スタイルパネルでは、線色/文字枠内の塗りつぶし色や文字フォント/サイズ/色、テキスト揃えなど、オブジェクトに関する設定(プロパティ)をセットにして登録しておける。必要なときに呼び出すことで、オブジェクトの設定変更をすばやく行える。
キャプチャ機能では、全画面/ウィンドウ/選択領域で範囲指定できる。また、10秒後の画面を撮影するタイマ機能により、操作途中の状態もキャプチャすることが可能(全画面のみ)。さらに、キャプチャ画像のサイズ変更(幅または高さのピクセル数で設定)や、周囲(四辺)への余白挿入も可能だ。
編集できる画像は、Macが対応するすべての静止画形式のファイル。ただし、複数ページを持つPDFデータは1ページ目のみを扱える。既存の画像を編集するだけでなく、新規に“白紙”のキャンバスを開くことも可能で、文字枠や記号などのオブジェクトを用いて、ドローソフトのように自由に図やチャートを描くこともできる。