原文・訳文・確認訳文を表示する三面エディタが特徴の翻訳ソフト。日英翻訳では、一度英訳された文を日本語に再翻訳して原文と比べることで、より正確な英訳作業を行える。「翻訳ピカイチ2007」は、英日・日英翻訳に加え、フランス、ドイツ、スペイン、ポルトガル、イタリアの欧州5ヵ国語に対応した統合翻訳ソフト。自動翻訳を行ったあとで部分的に別の訳語を探したり、訳文を任意に編集したりすることもできる。ブラウザで表示されたWebページを訳す「ホームページ翻訳」、短いセンテンスやわからないフレーズだけを選択して速やかに翻訳できる「ワンポイント翻訳」といった便利な翻訳機能も備える。
辞書は、235万語の基本語辞書、180万語の専門語辞書を標準搭載。プロフェッショナル版では、技術系・科学系・ビジネス系など、計20分野の専門語辞書も搭載される(スタンダード版には非搭載)。固有名詞や業界用語など、ユーザ独自の単語を「ユーザ辞書」に登録することも、もちろん可能だ。
ソフトは、英日対訳エディタ「ピカイチEJ」、日英対訳エディタ「ピカイチJE」、そして「翻訳パレット」の、独立して起動できる3本のツールで構成される。「翻訳パレット」は簡易ランチャで、画面に常駐させておくことで「ピカイチEJ」「ピカイチJE」を速やかに呼び出せるほか、「ホームページ翻訳」「ワンポイント翻訳」といった付属の機能も「翻訳パレット」から利用できるようになっている。
「ピカイチEJ」「ピカイチJE」は、ウィンドウ構成やインタフェースがほぼ共通。左側に「原文」、右側に「訳文」が並列表示され、さらに訳語候補や辞書を閲覧するための「EJパネル」が付属する。
翻訳時には、原文を一文(センテンス)単位で分解し、一文ごとに訳文を対応させて表示する。もちろん訳文に対して、ユーザが任意に編集を加えることも可能。原文または訳文の欄から単語・連語を選択すると、対応する側の語も同時に選択状態となり、同時に別訳候補の一覧が表示される。この中からより適した訳語を選ぶことで、訳文を修正できる仕組み。選択された訳語は学習辞書に登録され、次回以降の翻訳の際に参照される。さらに、選択された単語・連語は辞書検索が行われ、「EJパネル」に解説文が表示される。
「ピカイチJE」には、英訳された文を逆方向(英→日)に自動翻訳する「確認翻訳」機能がある。このときウィンドウは三面表示となり、日本語(原文)→英語(翻訳文)→日本語(確認翻訳文)が並列表示される。対応する三つの文を横一列で確認することが可能で、原文と逆翻訳された日本語を比べることにより、日本語の特性(主語の省略)、日本文と英文の違い(語順)といった原因で生じた誤訳を、ユーザの目でチェックできるようになっている。ユーザが原文に手直しを加えて再翻訳することで、さらに精度を高められる。
「ワンポイント翻訳」は、センテンスやフレーズといった短い部分をスピーディに翻訳できる機能。必要な部分をドラッグ&ドロップでウィンドウにコピーするだけと、操作は簡単。ウィンドウはコンパクトで、他のアプリケーションの起動中にも邪魔にならない。
「ホームページ翻訳」機能は、Mac OS X標準搭載のブラウザ「Safari」に対応。Webページをまるごと翻訳し、(基本的に)元ページのレイアウトを保ったまま、原文の下欄に訳文を別色で表示する。また、RSSフィード対応の「Safari」を用いれば、ダウンロードしたニュース原稿などを翻訳することも可能だ。
翻訳結果は、独自形式の「翻訳ファイル」として保存できる。この形式では、原文と訳文を元のテーブル形式で保存し、EJ/JEエディタ上に翻訳作業が再現される。また、原文・訳文・確認翻訳文を別々にテキストファイルとして書き出すことも可能。さらに、メールによる転送機能や、翻訳結果を用紙にプリントする印刷機能もある。
フランス、ドイツ、スペイン、ポルトガル、イタリアの欧州5ヵ国語の翻訳機能も備える。いずれも途中に「英語」を介した間接的な翻訳処理が行われ、三面エディタ表示で、中央部分に英語訳が同時に表示される。したがって、英語の知識を持つ人は、英文をチェックすることで、各国訳の正しさを検証することができる(ただし、欧州5ヵ国語は、株式会社クロスランゲージが提供する翻訳サーバに接続して処理を行うため、利用する際はインターネットアクセス環境が必要)。「ホームページ翻訳(RSSリーダ対応)」「ワンポイント翻訳」も欧州5ヵ国語に対応する。