「クセロReader ZERO」は、起動・表示ともに高速で、ストレスなくPDFファイルを閲覧できる専用ビューア。複数のPDFファイルを同時に開き、文書を切り替えながら閲覧できるタブ型を採用。文書内検索やWeb検索、セキュリティ設定、PDFファイル簡易編集などの機能も備えている。

ファイルのオープンはドラッグ＆ドロップに対応する。複数ファイルをまとめて開くときも、ドラッグ＆ドロップで行える。「しおり」（PDFファイルに「しおり」が設定されている場合）やサムネイルを表示して、目的のページに瞬時に移動することも可能だ。

表示倍率は10%から1600%までの11パターンから選択できる。「100%表示」「幅に合わせて連続ページで表示」「1ページ全体を表示」は、ツールバーからすばやく選択することが可能。マウスでドラッグした部分がエリアいっぱいになる倍率で表示される「部分拡大」も利用できる。

検索機能としては、文書内検索とWeb検索（「Yahoo! JAPAN」）を利用できる。文書内検索では見つかった文字列が反転表示され、Web検索ではブラウザで「Yahoo! JAPAN」の検索結果ページが開かれる。

簡易編集機能も用意されている。サムネイル画像を使って、ページ単位の回転（右90度、左90度、180度）、削除、ページの入れ替えを行うことができる。また、セキュリティ設定も可能で、キーワードによる文書の保護や印刷、コピー、文書の変更などの許可/不許可を指定できる。

さらに、電子文書の証拠性を確保するためのタイムスタンプ機能も搭載している。PDFファイルにタイムスタンプを埋め込むことで、

• 埋め込まれた日時にそのPDFが存在していたことを証明する「存在時刻証明」
• タイムスタンプ埋め込み後にPDFの編集・改竄が行われたかどうかの「非改竄証明」

特徴のひとつが、起動やファイルオープンの速さ。重いと不評の「Adobe Reader」と比較すると、確かにその速さは実感できる（もっとも「Adobe Reader」も昔に比べれば、かなり改善されているが）。また、タブ切り替え式なのも使い勝手がよい──というよりブラウザをはじめ、エディタやファイラまでタブ型全盛の昨今では、これが当然という気もする。簡単な編集機能があるのもうれしい点で、全体的に大変よくできたソフトだというのが印象だ。

なお、「クセロReader ZERO」は無料で使うことができるが、利用には氏名やメールアドレスなどを登録してシリアル番号を発行してもらう必要がある。また、ソフトの起動時にはブラウザで広告ページが表示されたり、最初に起動して180日を経過したら最新バージョンをインストールする必要があったりといった制限もある。

高速起動の実現により「Adobe Reader」や「Adobe Acrobat」を使ってPDFを開くストレスを大幅に軽減できたことは大きな進歩であると考えております。

今後1年の間に、Acrobatの90%以上の機能を搭載してゆくほか、今回実装したタブブラウジングやタイムスタンプのような、「Acrobatにはないが、ユーザさまにとって利便性のある機能」も随時、実装していこうと考えております。

「PDFのことならクセロ」といわれるように、いろいろな意味で満足度の高いPDF関連ソフトウェアを提供し続けることを主眼に置いています。