「みんなで卒煙式」は、煙草をやめたいと考える人向けの禁煙支援ソフト。「卒煙式」の姉妹版にあたり、「卒煙式」が最初の1ヵ月をしっかりとケアして2ヵ月目以降はサポートを緩めるのに対して、「みんなで卒煙式」では禁煙1周年を目指してコンスタントにサポートを行うようになっている。

起動すると、まずユーザの情報登録画面が表示される。ここでは、

• 1日あたりに吸っている煙草の本数
• 1箱（20本）あたりの煙草の金額
• 煙草のサイズ（ショート/スタンンダード/ロング）

ユーザが飽きずに禁煙を続けられるよう、画面の表示内容は変化に富んでいる。経過時間にあわせてステータスが段階的に変化したり、さまざまなイベントが起こったりする。励ましやアドバイスが表示されることもある。卒煙開始からの変化をイメージしやすいよう、グラフィカルな表示や端的な言葉が多く取り入れられており、「吸わなかった煙草」の本数を同等の長さのもの──例えば鉛筆やバットといった身近なもの──の長さになぞらえたり、肺の色を（開始時の黒から）茶色→赤→ピンクといった具合に変化させたりする。

メイン画面には「ステータス」という項目も用意されている。表示モードは5種類あり、「日本旅行」「八十八ヵ所巡礼」「東海道五十三次」「ソルジャー」「コスモ」からひとつを選べる。「日本旅行」「八十八ヵ所巡礼」「東海道五十三次」は、出発地点からどこまで進んだかを地図上でビジュアルに表示するもの。「ソルジャー」は軍隊の階級を、また「コスモ」では物質の大きさをもとにして段階的にランクが上がってゆく。

禁煙用の「日記」をつけたり、卒煙を目指す仲間と意見を交わせる専用掲示板へアクセスしたりといったこともできる。日記の内容をファイルに出力することも可能で、プレーンテキスト/リッチテキストのほか、モバイル対応blog用テキストとして書き出すこともできる。

「みんなで卒煙式」は、喫煙生活から卒業するための支援ソフト。禁煙してからの日数だけでなく、「伸びた寿命」や「使わなかった金額」といった具体的な数値を見せて、生活改善の様子をわかりやすく示してくれる。肺の状態といったイメージを示したり、現在のステップを地図で表したりすることで、卒煙への目標や行程を具体的に見せてくれる。毎日たまっていくゲージだけでなく、定期的なメッセージ表示やイベントの発生など、飽きないよう工夫が凝らされているのもうれしいところだ。

専用日記をつけることができるのも大きな特徴。プライベートな卒煙日記として使えるほか、blogにすばやく転送できるようファイルとして出力したり、クリップボードにコピーしたりできる。同じ卒煙仲間と意見交換ができるよう、専用掲示板へアクセスする機能もあり、モチベーション維持の大きな助けになるだろう。

“飽きずにコツコツ”はわかっていても、なかなか続かないとお悩みの方は、「みんなで卒煙式」のような支援ソフトを使ってみてはどうだろうか。禁煙しようとしているのは自分ひとりではない、という感覚が持てるだけで、意思の継続はずっと強くなるはずだ。

──ユーザにお勧めする使い方はありますでしょうか？
ソフトは1年間かけて毎日毎日変化していきますので、一日1回ソフトを立ち上げて眺めているだけでも、十分禁煙の励みになると思います。また、掲示板やblogやSNSで禁煙仲間とコミュニケーションを取る手段として使用するのも効果的です。「私は別府温泉まで来ました！　あなたはどこまで？」とか、「あっ、あなたは桂浜ですか！　私もそこまでがんばります！」とか。

禁煙掲示板はあちらこちらにあると思いますが、掲示板初心者の方でしたら私たちの管理している卒煙式掲示板（http://sotsuen.jpn.org/）をご利用ください。さらには、日本地図に表示される各地の緯度経度データをGoogle Earthに貼り付ければ、毎日日本周遊をしている気分になれます。そうやって日本各地の景色やガイドを楽しみながら、知らず知らずのうちに卒煙することができます。

──開発中に苦労した点は何でしょうか？
日本地図には苦労しました。自分の卒煙した道のりを何とか可視化しようとして日本地図上にマップするというアイデアを出したところまではよかったのですが、実際に作ってみると大変でした。「地図は動いた方がいいだろう」「拡大・縮小できた方がいいだろう」「地名だけではなくて、簡単な観光ガイドを入れた方がいいだろう」「緯度経度データがあった方がいいだろう」……などなど。結果、アプリケーションの容量の大半を日本地図に費やすことになりました。

──今後のバージョンアップ予定はいかがですか？
ご利用者の反応を見ながら、声を聞きながら、展開を検討していきたいと思います。将来的には日本地図に各地の写真を掲載したいと考えています。

──最後に、これから卒煙される方にひと言ありましたらどうぞ。
卒煙に失敗しても失うものはありません。気楽にトライしましょう。