「PDF Edit 2 Professional」は、PDF形式のドキュメントを作成・編集できるソフト。既存のPDFを読み込んで、ワープロソフトと同じ感覚で内容を編集できる。新バージョンではWindows Vistaで動作するようになったほか、PDF 1.6やAES 128bit暗号化にも対応。PDF作成スピードも向上している。

インストールすると、PDF作成機能がWord/Excel/PowerPointにアドインとして組み込まれ、ツールバーにアイコンが登録される。以後は、Wordなどで編集しているファイルをワンタッチでPDFに変換できるようになる。最新のOffice 2007にも対応する。Office以外のアプリケーションでPDFを作成するには、エクスプローラのコンテキスト（右クリック）メニューを利用する。一般的なPDF作成ソフトと同様、PDF作成専用の仮想プリンタがセットされ、アプリケーションから仮想プリンタに対して印刷を実行することでPDFを作成できる。

複数のファイルを結合して、ひとつのPDFにすることも可能。通常、ExcelやWordなど異種のファイルの場合は別々のPDFとなるが、変換用ソフト「PDF Direct！」を利用すれば、複数の異種ファイルを読み込み、1本のPDFに変換できるようになる。背景に「社外秘」などの文字をうっすらと入れる「背景透かし」機能もある。文字の色やサイズ、文字を斜めに入れるなどの設定もできる。

編集機能も充実している。「PDF Edit 2 Professional」はもちろん、ほかのPDF作成ソフトで作成したPDFファイルも編集できる。PDFに含まれる既存のテキストボックス内の文字を変更できるほか、新規にテキストボックスを追加し、文字入力を行うことも可能。新バージョンでは、テキストボックス内の文字のフォント/フォントサイズの変更や、太字、斜体、上付き/下付きなどの文字装飾設定を行えるようになった。文字だけでなく、図形などの挿入も可能。PDF出力したあとでベースのファイルを失っていても、ほぼ自由な編集が行える。

そのほかにも、PDFを活用する上で必要な機能が揃っている。例えば、

• PDF作成者とは別の人がPDF内に注釈を入れられる「メモ」
• 作成者以外に編集させないようにする「セキュリティ」
• 勝手な改変を防止する「電子署名」
• 書類の一部を隠す「黒塗り」

しかし、取扱説明書のように「見るだけ」ならともかく、申込書などのようにユーザが自分で記入しなければならない場合、PDFはちょっと不便だ。というのはPDFはワープロなど「ほかのアプリケーションで出力する」ことが前提で、PDF自体を編集するということはあまり行われてこなかったからだ。

もちろん本家であるAdobeにも「Acrobat」というPDFを編集できるソフトはある。しかしAcrobatもほかのフォーマットからの「変換」がメインであり、編集機能については（最近はかなり向上したとはいえ）副次的な印象が強い。何よりAcrobatは最近のソフトウェアとしては高価だ。

そこで「PDF Edit 2 Professional」である。すでにPDF内にあるテキスト編集はもちろん、自由な位置に新たにテキストボックスを置き、自由な文字が入力できる。ダウンロードしたPDFの「申込書」を印刷して、手書きで文字を書き加える、などといったことをする必要はない。

よく使われるフォーマットになってきただけに、PDFの編集ソフトもやはりひとつは揃えておきたいところ。その用途としてはなかなか理想的なソフトだ。

開発中に苦労した点
特にありません。多くの人にPDFの可能性を体験いただけたらと思います。

ユーザにお勧めする使い方
会議やセミナー等の発表用に作成したPDF資料で、ちょっとした修正をしたり、誤植などを見つけたりすることがよくあると思います。そんなときに、オリジナル文書に戻ることなくその場でワープロ感覚で修正・追加ができることが、まず大きな利点といえるでしょう。PDFはセキュリティが設定できることが便利な点ですが、実際はセキュリティの設定はなかなか面倒。本製品の場合は、あらかじめセキュリティを事前に設定しておくことが可能で、相手ごとにアイコンを作成してプリセットできるため、セキュリティをかけるときには、そのアイコンを文書の上にドラッグするだけです。これならどんなにパソコンが苦手な部長さんでも、事前に部下が一度設定してあげれば、間違いなくセキュリティがかけられます。

今後のバージョンアップ予定
PDF、OCR等の分野で世界No.1の技術を持っているので、今後もこれらの機能を搭載していく予定です。