AVCHDビデオカメラからの取り込みも可能な動画編集ソフト。3種類のモードで幅広いユーザ層、利用目的に対応する。「VideoStudio 11」は、個人ユーザ向けとしてはトップシェアを誇る、高機能・簡単操作の動画編集ソフト「VideoStudio」シリーズの新バージョン。動画や写真などの素材をもとに、カット編集や演出効果を加えたオリジナルDVDを作成できる。すでに前バージョン「VideoStudio 10」で、ハイビジョン画像の編集や、MPEG-4出力といった先進的な機能に対応していたが、「11」ではさらにブラッシュアップされ、より効率のよい編集が可能になった。Windows Vistaにも対応した。
キャプチャ機能では、従来バージョンからのHDVカメラからの取り込みに加え、新たにAVCHDビデオカメラからの取り込みにも対応した。AVCHD方式が採用する高圧縮率のMPEG-4 AVC/H.264をダイレクト編集することも可能。ハイビジョン解像度での編集も可能だが、MPEG-4 AVCでの出力はSD解像度(640×480)までなので、AVCHD規格に適合するファイル出力はできない(MPEG-2などHD対応フォーマットに変換する場合はHD解像度のままで保存できる)。
「スマートプロキシ編集」機能は、「11」でも利用できる。スマートプロキシ編集では、編集時に本来の動画データではなく、より低い解像度の動画を代理ファイルとして利用し、最後の処理の部分で高解像度による処理・出力を行うことが可能。CPU性能がそれほど高くないノートパソコンなどでもMPEG-4 AVCコーデックを処理できるようになるという。
編集機能では3種類のモードが用意され、多様なユーザ層やニーズに対応する。利用できるモードは、7ステップで動画編集を行う通常の動画編集スタイル(通常モード)のほか、DVテープからDVDオーサリングまで直接移行できる「クイックDVDウィザード」、テンプレートを選ぶだけで自動的にインパクトのあるムービーが作成される自動編集機能「おまかせモード」。「おまかせモード」は、併用トラック数が従来の2トラックから5トラックに強化され、より高度な編集を行えるようになった。
MPEGの出力時には、変更を加えた部分だけを再エンコードする「スマートレンダリング」が利用できる。さらに、新機能の「MPEGオプティマイザ」により、ビットレートが異なる複数の素材を組み合わせた際に、どのビットレートで出力すればエンコードが最小になるかをグラフィカルに確認できるようになった。スマートレンダリングがうまく適用されるレートを選べば、画質劣化を最小限に抑えた状態で出力できる。
素材の動画、音楽、画像を一式保存する「スマートパッケージ」機能もある。一般的なビデオ編集ソフトでは、ファイルを保存する際に編集情報だけをプロジェクトファイルとして保存するが、スマートパッケージを使えば、編集用パソコンを変えたり、データをバックアップしたりする場合に少ない手順で移動が行える。
DVカメラでの撮影時に記録される撮影日/撮影時刻の情報を自動的にインポートする機能も追加され、画像中に自動で文字を挿入できるようになった。タイトルトラックに情報が入り、文字のフォント、色、大きさなども自由に設定できる。