「PowerX KoolMoves」は、Webページなどで使われるFlashムービー（SWFファイル）を作成できるソフト。豊富なライブラリやウィザード機能により、アニメーションバナーなどを簡単に作ることが可能。タイムラインによる編集やモーフィング、図形に骨格を与えて滑らかで正確な動きを可能にする「ボーン」など、高度な編集機能も備えている。

インタフェースは「ウィザード」「基本」「上級」「アニメーション」から選択できる。初心者向けの「ウィザード」では、シンプルなウィザードでアニメーションを作成することが可能。「バナー」「新規テキストエフェクト」「新規イメージエフェクト」「新規スライドショー」の4種類のウィザードが用意されている。

「基本」では、プロパティ設定用のウィンドウをツールバーから呼び出せるようになる。「上級」では描画できるオブジェクトの種類が増え、コントロールポイントの編集ができるようになる。「アニメーション」では、非線形モーフィングや、図形に骨格を設定する「ボーン」を利用できる。また、「上級」「アニメーション」ではActionScriptを用いた高度な編集も可能だ。

テキストや図形などのオブジェクトに対して手軽に動きを設定できる「エフェクト」も多彩。回転やスライドイン/アウトといった平面的な効果（70種以上）と、立体的な3Dエフェクト（43種）が用意されている。各エフェクトともパラメータを細かく指定でき、バリエーション豊富な演出を施すことが可能だ。プレビュー画面では、パラメータ設定による変化を実際に確認しながら効果を設定できる。そのほかにも、

• Webページに利用できる「ウェブインターフェース」
• 約260種類の「クリップアート」
• 動きのある「アニメーションクリップアート」
• マウスアクションで変化する「ボタン」

単なるアニメーションやナビゲーションバーのようなメニューだけでなく、Flashの動作中に文字入力を行える「ダイナミックテキスト」などを使い、インタラクティブなインタフェースを作成することも可能だ。

そこで、いろいろなソフトハウスから手ごろな価格の製品がリリースされているが、その多くは「手軽に使える」という点を重視しているものだったように思う。ところが「PowerX KoolMoves」は、「手ごろな価格」で「簡単に使える」ことに加えて、高度な編集機能まで兼ね備えている点が大きな特徴だ。

デジカメ写真などを使ったスライドショウや、バナーテキストのアニメーション程度ならウィザードモードで誰でも簡単に作れる。一方で、その気になればタイムラインやトゥイーニングを細かく指定したり、オブジェクトを自由に変形させて凝った動きを演出したりといったこともできる。さらに、ナビゲーションバーのようなユーザインタフェースまで作成することも可能で、実に懐の深い製品となっている。

エフェクトのライブラリが豊富なだけでなく、クリップアートも単純な絵からちょっとしたアニメーションが設定されたものまで、多数が収録されているのもうれしいところで、別途グラフィックツールを持っていない人でもとりあえずアニメーション作成にチャレンジすることができる。Webデザイナーにとっても、静的なHTMLだけのページに手軽にアクセントをつけられるだろう。インタラクティブなページを制作する手間や学習コストを抑えるのに、大いに役立ってくれそうだ。

ウィザード、基本、上級、アニメーションの四つのユーザインタフェースを用意しています。例えば、「ウィザード」では、バナーウィザードなど目的別のウィザードを使ってムービーを作成します。編集時は必要なメニューだけを表示しますので、どの機能を使えばいいのか迷うことなく目的のムービーを作成できます。

一方、「アニメーション」では、タイムライン、トゥイーン、モーフィング、オニオンスキン、マスク、ActionScriptなど、すべての機能を使うことができます。高度なエフェクトやトランジョン、本格的なアニメーション、インタラクティブムービーなどを作成できます。テキストエフェクトや3Dエフェクトはライブラリとして提供されていますが、実体はKoolMoves形式のファイルなので、自分で作成したエフェクトをライブラリに追加して再利用することもできます。

ちょっと変わった機能としては「ボーン」があります。3Dアニメーションの世界ではキャラアニメーションの際に必須の機能ですが、それと同じような機能を2DのFlashアニメーション上で行うことができます。図形にボーンを入れて、ボーンを動かすことで、それに合わせて図形も変化してくれるのでおもしろい効果を得ることができます。

「PowerX KoolMoves 5」を使って、初級者から職人まで、大勢の人がおもしろいムービーを作成してもらえればうれしいです。