最大6トラックを同時編集できる、マルチトラック対応のサウンド編集ソフト。WAV/WMV/MP3などのPCMサウンドデータを加工・編集できる。「DigiOnSound5 Express Vista」は、PCMサウンドデータを自在に加工・編集できるソフト。「Express」版は、プロフェッショナルユースの高機能版「DigiOnSound5」のサブセットという位置付けで、5.1chサラウンドなどの機能は削られているものの、ステレオ編集機能ではほぼフルセットの機能を利用できる。ソフト名が示すように、動作環境としてWindows Vistaに正式対応した。
ユーザインタフェースは「Express」を踏襲している。Windows Vistaで使用した場合でも違和感がないよう、細部のデザインなどはブラッシュアップされ、AeroやAero Grassにも対応する。操作画面は、メイン画面内で複数の子ウィンドウを開けるMDI方式を採用。ツールパレットや再生コントロールパネルなどはフローティング形式になっており、メイン画面の外に移動させることも可能だ。
利用できる機能も基本的に「Express」と同等だ。読み込み可能なファイル形式は、「DigionSound」シリーズのネイティブフォーマット(DGS)のほか、WAVE/WMA/MP3/Ogg/AU/AIFFなど。主要なICレコーダの規格(DSS/msv/dvfなど)にも対応し、音楽だけでなく、音声録音データの編集にも便利だ。編集可能な音声周波数は最大192kHz/16bit。最大6トラック(ステレオ音声の場合は3トラック)のマルチトラック編集を行うことができる。
AVIなどの動画ファイルを読み込み、動画に含まれる音声データを編集することもできる(動画自体の編集は行えない)。編集時に動画と音声の同期を確認するための「動画プレビュー」画面が用意されている。
音声データに適用できるエフェクトは34種類(スペシャルエフェクト5種類を含む)。適用操作は、個々のエフェクトがグラフィカルに表示され、わかりやすい「エフェクトランチャー」から行えるようになっている。イコライザやコンプレッサといった一般的なものはもちろん、音程を変えずに音声全体の長さを圧縮・伸張する「タイムストレッチ」、音を周期的に変調させる「モジュレータ」など、高音質のエフェクトが多数用意されている。
さらに「ノイズリダクション(ノイズの除去)」機能では、「ヒス」「ハム」「クラックル」という3種類のノイズに最適化されたリダクションパターンを備える。一定以下のレベルの音をノイズと見なして除去する「ノイズゲート」機能もあり、「ICレコーダで録音された音声を聞き取りやすくする」といった用途に利用できる。そのほかにも、音楽の中からボーカル音声だけを取り除く「ボーカルキャンセル」機能などを搭載する。