ページのトリミングや電子署名の添付なども可能なPDF作成・編集ソフト。Microsoft Officeから、ワンクリックでPDFを作成することもできる。「いきなりPDF EDIT 2」は、Adobe社のドキュメント形式「PDF」の書類を作成・編集できるソフト「いきなりPDF EDIT」シリーズの新バージョン。Windows Vistaに対応したほか、新暗号化規格対応のPDF 1.6(Acrobat 7.0以降)形式への対応も図られた。
一般的なPDF作成ソフトでは、既存の文書(WordやExcelの書類など)をもとにPDFを作成するものが多いが、「いきなりPDF EDIT 2」では、あたかもワープロやグラフィックソフトを使うかのように、何もない状態からPDFを作りはじめられる。利用できる描画機能はテキスト入力のほか、楕円、多角形、直線、自由曲線など。文書内に「すかし」「クリップアート」「スタンプ」を入れることもできる。既存のPDFの編集も容易に行える。
既存の文書ファイルからPDFへの変換は3種類の方法で行える。ひとつはWord/ExcelなどのOfficeアプリケーション用のプラグインから行う方法。Word/Excelに登録される「いきなりPDF EDIT 2」のツールバーからワンタッチでPDFを出力できる。最新の2007 Office systemにも対応する。
二つめは、付属の外部プログラム「PDF Direct!」を使う方法。HTML、テキスト、画像ファイルなどをPDFに変換できる。複数ファイルを一括で変換するバッチ処理も可能だ。複数のファイルを個別のPDFに出力することも、ひとつのPDFにまとめて出力することもできる。
最後は、仮想プリンタドライバを使う方法。印刷機能を持つ任意のアプリケーションから利用できる。
PDFを加工する機能も備えている。注釈コメントの追加、しおり(目次)の作成、ハイパーリンクの追加、ページのトリミングなどを行うことが可能。注釈コメントの追加では、コメントを追加したユーザの名前やコメント日時などが自動的に記録される。しおりの作成は、ワンタッチで目的位置にジャンプできる「目次」を作成できるもの。ページ数の多いPDFに向く。ハイパーリンクの追加では、PDFから同じPDF内の別の位置にジャンプしたり、指定したURLにアクセスしたりするリンクを付けられる。
新バージョンでは、PDF 1.6への対応も図られ、ファイル暗号化にAES 128ビットの暗号を利用できるようになった。さらに、データの改ざんがないことを証明する電子署名を添付することも可能で、PDF文書のセキュリティを高められる。電子署名には、署名した人の氏名、日時、連絡先などを記録することも可能だ。