ウィザード形式で、とまどうことなく作業できるWindows環境移行ソフト。移行元/移行先の2台のパソコンを接続し、数回マウスクリックするだけで“引越し”できる。「ファイナルパソコン引越し2007 PRO」は、アプリケーションやデータを含むWindows環境を簡単な操作で移行できるユーティリティ。移行できる情報は多岐にわたる。例えば、
- インストールされているアプリケーションとその設定
- ユーザやアプリケーションが作成・保存したデータファイル
- Internet Explorerの「お気に入り」や設定
- Windowsのカスタマイズ設定
などを、移行先のパソコンにそのまま“引越し”させることができる。移行元と移行先のハードウェアが異なる場合はドライバなどの再インストールが必要だが、ソフトウェア的な設定やデータは、ほぼ完璧に移行できる。このため、現在使っているパソコンの作業環境とほぼ同じ環境を、少ない手順で新しいパソコンに構築することが可能だ。データの移行方法は2種類。CD-R/DVD-Rなどの記録メディアにデータを入れて移すか、または2台のパソコンを直接USBケーブルやイーサネットケーブルで接続して、データを移動させる。
実際の移行作業ではまず、移行元/移行先の両方に「ファイナルパソコン引越し2007 PRO」をインストールする。ネットワーク/ケーブル接続で転送する場合は、2台のパソコンをあらかじめ接続しておく。続いて移行先のパソコンで「ファイナルパソコン引越し2007 PRO」を起動する。データ受信待機状態にしたら、移行先の準備は完了だ。
移行元では、データ移行に関する設定が必要。ネットワーク接続の場合は、移行先のパソコンを指定する(ケーブル接続では不要)。次に、移行可能なデータの一覧が表示されるので、移行したいものを選ぶ。このときデスクトップアイコンやIEの設定、スパイウェアと思われるソフトの移行禁止などを指定することが可能だ。設定終了後、すべての設定がネットワーク経由でコピーされる仕組みだ。
CD-Rなどのメディア経由で移行する場合は、移行元/移行先の環境の違いをリアルタイムで比較できない。このため移行元では、移行先に存在しない可能性のあるデータすべてをメディアに書き込む。単純に全データを用意するとデータ量が放題になるため、そうした事態を防ぐ機能として「スナップショット」が用意されている。
「スナップショット」は、移行先の情報を集めたデータファイルのこと。事前に移行先でスナップショットを収集して移行元で解析することで、移行先に存在しない差分データだけをメディアに記録できる(もちろんスナップショットを使用せず、すべてのデータをメディアにコピーしてもよい)。
データ移行におけるOSの制限として、移行元のOSと移行先のOSが同一であるか、または移行先の方が新しいOSである必要がある。例えば、移行元がWindows XPの場合は、移行先としてはWindows XP/Vistaを選択できる。XPからVistaへの移行では、Internet Explorer(IE 6.0からIE 7.0)やメールソフト(Outlook ExpressからWindowsメール)など、Windowsの標準ソフトの変更にも対応する。
移行の際に行った変更はすべてログとして記録される。万が一、移行後に問題が見つかった場合でも、「やり直し」機能で移行前の状態に戻すことができる。