強力なデータ復旧機能を備えたディスクユーティリティ。3種類の操作モードを備え、初心者から上級者まで、幅広く対応する。「ファイルサルベージ」は、誤って消去したファイルや、フォーマットによって消去されたファイルを復元したり、ボリューム/メディアの破損によって通常操作ではアクセスできなくなったファイルを復旧したりできるソフト。Intel CPUを搭載したMac、Linux、WindowsといったMac OS X以外でフォーマットされたボリュームから、CD/DVDやiPodのハードディスクまで、Macに接続できるほとんどのデバイス/メディアに対応する。Boot CampでMac OS環境から使用するWindowsボリュームやiPod内のファイルなども復旧対象にできる。
用意された復旧モードは3種類。
- 復元モード:削除されたファイルのみを復旧する
- 救出モード:壊れたボリューム全体のファイルを一括して復旧する
- 上級者モード:ボリュームの中から必要なファイルを検索して復旧する
いずれのモードでも、データ復旧元のディスクに書き込みなどを行うことなく、別のディスク/ボリューム上に復旧する。「復元」は、誤操作などで消去してしまったファイルを元に戻すときのためのモードで、基本的に復元可能なすべてのファイルが対象となる。オプションでファイルタイプを指定して、対象を絞ることも可能だ。破壊または損傷のあるボリュームからファイルを復旧するには、「救出」または「上級者」モードを利用する。救出モードでは、損傷などでマウントできないボリュームから、認識できたすべてのファイルを復元する。上級者モードでは、ボリュームの内容を調査してファイル一覧を表示し、ユーザの選択したファイルを復元対象とする。マルチメディアファイルのプレビュー機能もあり、画像、音声、動画ファイルの内容を確認した上で復元することも可能だ。
復元/救出モードでの基本的な操作の流れは、
- 復旧のモードと対象とするデバイス(ディスク/ボリューム)を選ぶ
- 復旧処理を実行する
- 救出されたファイルを保存する場所(復元先)を指定する
というもの。復元先は、元の場所とは異なるボリューム(ディスクまたはパーティション)を選ぶ必要がある。また、上級者モードでは「すべてのデバイスをスキャン」→「見つかったファイルの一覧表示」→「復元するファイルを選択」→「復旧処理」という手順になる。復旧対象のファイルタイプを指定することも可能。
- 画像:JPEG/TIFF/PNGなど
- 音声:MP3/AIFF/WAVなど
- 動画:MOV/WMV/ASFなど
- オフィスファイル:Word、ExcelなどのMicrosoft Office文書ファイル
から選択して復旧処理を行える。4タイプをまとめて復旧対象にすることも可能だ。復元したファイルの自動リネーム機能もある。ファイルの内容やタグ情報から、自動的にファイル名を付加させることができる。例えば、デジカメ写真の画像ファイルであればExif情報、音楽ファイルならタグ情報を読み込んで、意味のある名前を付けることが可能で、ファイル内容を確認しながらファイル名を付けるといった手間を省くことができる。
そのほか、標準ISOイメージをはじめとした、主要なディスクイメージファイルを解析する機能も備えている。ディスクイメージに含まれるファイルを取り出すこともできる。