人間・動物・ロボットなど、「ポーズ」をとる立体物の作成に特化した3Dグラフィックソフト。用意されたデータを利用して、手軽に人間型や動物型のキャラを作成できる。「Poser 7」は、人間や動物などの3Dキャラクタを簡単に作成できるグラフィックソフト。あらかじめ用意された「フィギュア」と呼ばれる3Dデータに対してポーズ、表情、動きなどをつけることで、3Dデータを作成できる──例えていうなら「市販のデザイン用人形を購入してきて、その人形にポーズをつける」動作に近い。一般の3Dソフトのように、一から胴体を作ったり手足を作ったりする必要はなく、最初から用意されているものを使用できる。
人間型フィギュアには、従来バージョンから継承されたものと、「G2(Generation 2)フィギュア」と呼ばれる高いクォリティのものの2種類がある。G2フィギュアとして男女のキャラ各1体が付属する(「サイモン」「シドニー」と名づけられている)。G2フィギュアには代表的なポーズ、アニメーションポーズ、髪の毛、表情、衣装、照明セットなどのほか、フィギュアの表現に必要とされるさまざまなデータが付属する。これらのデータを利用するだけで、ある程度のポーズを作成できるようになっている。付属フィギュアには人間型のほかにも、鷹や狼といった野生動物、ロボット、鮫、森、植物など多数のフィギュアがあり、バリエーションは豊富だ。
フィギュアにはさまざまなポーズをつけられる。ポーズでは関節の動きなどが考慮され、違和感のない自然なポーズを設定できる。
「Poser 7」では新たに、二足歩行型フィギュアに共通して適用できる「ユニバーサルポーズ」の作成機能が追加された。従来はフィギュアごと個別に作らなければならなかったが、二足歩行型であれば、すべてのフィギュアに適用できる。男性と同じポーズを女性にとらせたり、人間とロボットを同じポーズにさせたりといったことも可能だ。
表情やポーズをつけたあとには、もちろんレンダリングすることが可能。「Fire Fly」レンダリングエンジンを利用して、高速なレイトレーシングを行える。「鉛筆スケッチ風」「水彩画風」など、非リアルタイプのレンダリングのほか、「トゥーンレンダリング」を行うことも可能だ。
ポーズや表情の移り変わりはもちろん、アニメーションでのライティングやカメラアングルを設定することも可能で、「Poser」を強力なアニメーション作成ソフトとして使うこともできる。
ユニークな機能として「トークデザイン」「リップシンク」がある。台詞などの音声データをあらかじめ指定することで、人間が喋る際の動きを自動生成してくれるもので、体や唇の動きを、音声の強弱にあわせてアニメーションとして作成できる。まばたきの回数、怒りや悲しみといった感情表現、頭部の動きの大きさといったパラメータを指定すれば、表情や目の動きさえも自動生成することが可能だ。
そのほか、(前バージョンでは1回しか行えなかった)Undoが最大100回までに拡張されるなど、さまざまな面で改良が施されている。