本格的なDJプレイを、パソコンで手軽に楽しめるソフト。「DJS」は、パソコンでDJプレイを楽しめる音楽再生・編集ソフト。DJ用プレイヤーとして定評のあるパイオニア社の「DJ」シリーズ(CDJ/DJMシリーズ)に近い操作性と基本性能を持つ。通常のDJではCD/DVD/LPなどを再生対象とするのに対し、「DJS」では音楽ソースとしてMP3ファイルを利用する。MP3データの登録機能として、既存のMP3ファイルを取り込める(登録)のはもちろん、手持ちのCDからのリッピング、WAVファイルの読み込み/MP3エンコード、マイク/ライン入力からのダイレクト録音なども可能だ。
メインとなるDJ機能では、DJプレイヤー2台+ミキサー1台分相当の操作を行える。単にひとつの曲を再生するだけでなく、2曲を同時再生してミキシングしたり、ある曲から別の曲に徐々に移行(クロスフェード)したりといったこともできる。
楽曲の再生開始ポイントは自由に指定できる。あらかじめ特定の時間に「ホットキュー」ポイントを設定しておけば、ワンタッチでそのポイントにジャンプして再生を開始できる。画面には音の強弱を示す波形が表示されるため、無音部分を確認して即座にスキップさせられる。
画面下部のジョグダイヤルでは、再生速度をコントロールできるほか、切り替えにより実際のDJプレイヤーと同様の「スクラッチ」も行える。
ミキシング機能としては「クロスフェーダ」「BPM(Beat Per Minute)シンクロ」「ビートエフェクト」などを搭載する。「クロスフェーダ」は、片側の音量を下げながら、もう片側の音量を上げて、曲と曲を繋ぐもの。フェーダを戻すと、再生開始ポイントがあらかじめ設定したキューポイントに復元され、再生のやり直しをスムーズに行える。「BPMシンクロ」は、再生している二つの曲のテンポを自動で合わせるもの。ミキシングやフェードを行う際に違和感なく繋ぐことができる。
再生音にエフェクトを加える「ビートエフェクト」は8種類を搭載。フェーダ、エコー、トランス、フランジャーなどが揃い、さまざまな表現を行える。一部のエフェクトは曲のビートに連動させることも可能だ。
あらかじめ設定したプレイリスト通りに、順番に自動演奏させることも可能。曲の再生開始/終了ポイントやミキシング効果などを事前に設定できるため、パソコンにまったく手を触れることなく、DJを自動運転させることもできる。
「クリエイト」機能では、キューポイントのほか、任意区間の繰り返し再生ポイント(ループポイント)を設定できる。設定は音の波形を見ながら行うことが可能で、いったん設定したループ範囲の微修正も簡単。ビートを乱すことなく曲の部分繰り返し再生を行うことも可能だ。設定したループ範囲を独立したトラック(曲)として保存する機能もある。
曲の管理機能も充実している。プレイリストの作成/編集はもろちん、「曲のカテゴリ」「ビート情報」をもとにした分類・検索を行える。同一カテゴリの楽曲だけを集めたり、似たようなビートを持つ曲だけを集めたりといったことも簡単だ。SDカードを介して、外部機器とデータ交換することも可能だ。