難しい設定が不要で、簡単に使えるVPNリモートデスクトップソフト。「Desktop VPN」は、簡単な設定で利用できるVPNリモートデスクトップソフト。SSL(Secure Socket Layer)を利用して遠隔地のコンピュータとの間でVPNを構築し、遠隔操作を可能にする。高い接続性が特徴で、NATやファイアウォール、プロキシなどが介在する場合でも利用できる。
利用するには、あらかじめ接続元、接続先の双方にソフトをインストールする必要がある。接続元(発信側)にはクライアント機能、接続先(受け側)にはサーバ機能が必要(Vectorで配布されているインストーラは1種類で、サーバとクライアントいずれのモードでもセットアップできる)。インストール時や動作時に管理者権限を必要としないため、誰でも簡単に利用できる。
動作モードは「ユーザ」「システム」の2種類。ユーザモードでは、サーバ側でユーザがログオンし、かつ「Desktop VPN」が動作しているときだけクライアントの接続を受け付けるため、高いセキュリティが実現できる。システムモードでは、ユーザがログオンしていなくともいつでも外部からの接続を受け付けるなど、使い勝手は高くなるが、パスワードの管理などのセキュリティに配慮する必要がある。管理者権限なしでインストールした場合は、ユーザモードで動作する。万一不正なアクセスが行われた場合でも、重要なシステムファイルは保護できる。
ソフトの利用は実に簡単だ。サーバ側(接続元)の場合、インストール後にパソコンのID(名前)設定やセキュリティ設定など、基本的な設定を行う画面が自動的に表示される。必要な情報を入力すると、即クライアントからの接続を待ち受ける状態となる。入力情報は少なく、IDと接続パスワードなど、ごく簡単なものだけで済む。高度な知識は必要ない。
クライアント側からサーバ側にアクセスしたいときは、サーバのIDを入力するだけでよい。サーバ側のIDが自動的に検索され、サーバが見つかれば、自動的にサーバ/クライアント間で暗号化された「トンネル」が構築される。続いてリモートデスクトップ接続が立ち上がり、クライアント側の画面上に、サーバ側のパソコンの画面が表示される。
利用時には、サーバ/クライアントともにインターネットに接続されている必要がある。プロキシサーバ、Socksサーバなどを経由していても問題ない(サーバ名を指定する際、Internet Explorerから設定情報を取り込むことも可能)。ブロードバンドルータなどのNATが使われている環境でも動作する。
インストール可能なOSは、Windows 98〜XPとServer 2003のほか、最新のWindows Vistaにも対応する(ただし、Vista Home(Basic/Premium)、XP Home、2000 Professional、Me/98/NTでは「システムモード」での動作は不可(「ユーザモード」でのみ動作する))。