ソニーが発売する、テレビチューナ搭載の動画ネットワーク配信ユニット「ロケーションフリー」の動画を、Windows Mobile搭載のPDA/スマートフォンで視聴するためのソフトウェアプレイヤー。PDA上からロケーションフリーの設定を行うこともできる。「NetFront LocationFree Player for Pocket PC」は、ソニー製動画配信機器「ロケーションフリー」内の動画をPDAで再生できるようにするソフト。「ロケーションフリー」は、チューナや外部ビデオからの入力をリアルタイムでエンコードし、イーサネットや無線LANを通して、家庭内はもちろん、インターネット上の指定されたクライアントに配信することが可能。
ロケーションフリーのデータを受信するクライアント機器には、ソニーが販売する専用機器、Windows搭載パソコン、PSPなどがあるが、従来、PDAで動作するソフトは提供されていなかった。「NetFront LocationFree Player for Pocket PC」は、「ポケットに入れて持ち運べ、どこでも利用できる」というPDAのメリットを活かし、ロケーションフリーの使い勝手を大きく向上させることができる。
対応機器は「PXA2xxおよび互換のCPU」と「Windows Mobile 5.0/2003(日本語版)」を搭載し、ネットワーク接続が行えるPDAやスマートフォン。現在販売されているWindows Mobile搭載製品の大部分に対応すると考えてよい。例えば、NTT DoCoMoの「hTc Z」やソフトバンクの「X01HT」などでも利用することが可能。画面解像度はQVGA(320×240)のほか、VGA(640×480)にも対応し、W-ZERO3([es]を除く)でも利用できる。
ロケーションフリーの本体(ベースステーション)は新機種「LF-PK20」、従来機種「LF-PK1」のいずれにも対応する。LF-PK20と組み合わせた場合、高圧縮・高画質のMPEG-4 AVCコーデックを利用することが可能だ。
視聴は、Windows Mobileの画面全体を使う「全画面再生」に対応する。全画面再生では、操作ボタン類やWindows Mobileのタイトルバーなど、再生画面以外の邪魔な表示が行われないため、PDA機器がまるでポータブルテレビになったかのように視聴できる。縦長の画面にテレビを表示するなど、画面全体を90度回転させる場合は、右回転/左回転も設定できる。
画面の任意位置をタップすると、操作画面が表示される。視聴する入力端子の選択、チャンネルの切り替え、設定画面の呼び出しなどを行える。チャンネルの切り替え時は画面内にソフトウェアキーボードが表示されるが、映像や音声は途切れないので、画面を見ながら視聴するチャンネルを選択することが可能だ。
ベースステーションには「地上波アナログチューナ」が搭載されているので、地上波の映像はそのまま視聴できる。BS/CSなどを視聴したい場合は、外部入力端子を利用する。外部接続時は、ベースステーション付属の赤外線送信ユニット「AVマウス」でチューナの操作を行える。AVマウスには二つの端子が装備され、2入力それぞれに機器が接続されている場合でも個別に操作できる。AVマウスには、操作できる機種があらかじめプリセットされている。メーカーと機種を選択するだけで、指定機器が操作できるようになる。機器指定を「NetFront LocationFree Player for Pocket PC」から行うことも可能だ。
ベースステーションとPDAは、LANで接続することが可能(有線/無線どちらも利用できるが、イーサネット端子を装備しているPDAは少ない)。無線設定やネットワーク設定は「Pocket Internet Explorer」から行える。
無線アクセスポイントは、ベースステーション内蔵のものを利用できるのはもちろん、ベースステーションを既存のLANに接続してLAN内の他のアクセスポイントを利用したり、ベースステーションと既存のアクセスポイントを無線接続した上で使用したりといったことも可能だ。
インターネットを経由した遠隔地での視聴も可能。インターネット上に動画を配信する、可変IPの場合でもDDNSを使えばドメイン名によるアクセスができる。
ロケーションフリーでは、対応するクライアントは登録制になっており、あらかじめ登録されたクライアント以外からの視聴は行えない。クライアントの登録や視聴の許可/不許可も、「NetFront LocationFree Player for Pocket PC」を使ってPDA側から行えるようになっている。