「Acronis True Image」は、操作性の高さや処理の速さで定評のある“定番”バックアップソフト。新バージョン「10 Home」では、従来からの機能に加え、「アプリケーション設定」「電子メール（Outlook）」のバックアップが可能になったほか、「カテゴリ別バックアップ」「バックアップロケーションの管理」といった機能が追加された。

操作は基本的にウィザード形式で、誰にでも扱いやすい。Windowsを操作しながら「Windowsのシステムを含むバックアップ」を行うことができる。バックアップ処理はスケジュール設定で自動化することも可能。通常の作業をしながらバックグラウンドで処理を実行させることもできる。

バックアップモードは、

• 完全バックアップ：対象のすべてのデータを処理
• 増分バックアップ：前回の（完全/増分）バックアップ以降の変更分だけを処理
• 差分バックアップ：最初の完全アーカイブに対する変更分だけを処理

「10 Home」で新たに追加された「アプリケーション設定のバックアップ」は、アプリケーション設定のユーザ設定をバックアップするもの。アプリケーションごとに保存できる。「メール」のバックアップでは、Outlook/Outlook Expressのメールデータ、アドレス帳を保存できる。

「バックアップロケーションの管理」は、バックアップを保存する場所に対して、最大サイズや最大ファイル数、保存期間を制限する機能。バックアップイメージの保存用に割り当てられたディスクスペースを使い切り、新しく保存できなくなってしまう事態を防ぐことができる。

そのほか、ディスクの破損などによりWindowsが起動しなくなった場合、保護機能付き領域に保存したイメージから復元できる機能などを備えている。

前バージョンの「9」では、ドライブ/パーティション単位のイメージバックアップだけでなくファイルのバックアップが可能になり、バックアップソフトはこの一本で済むようになった。

今回はβ版を試用させてもらったのだが、Windowsアプリケーションの設定や、メールメッセージ、アドレス帳のバックアップまでできるようになり、およそバックアップに関することでは「もはやできないことはないのではないか」と思えるほどだ（ただしアプリケーション設定については「Acronis True Image」独自の解析によるものなので、すべてのアプリケーションについてバックアップできるわけではない）。

このソフトの特徴のひとつである操作性の高さも相変わらずで、万人が使える、万人にお勧めできるソフトである。