「ProjecKit」は、フォルダ単位でファイルのバックアップを行うためのユーティリティ。バックアップ設定を「プロジェクト」として管理し、プロジェクト単位でバックアップを実行する。UNLHA32.DLLなどの圧縮・展開用DLLファイルと組み合わせて使用する。エクスプローラ風のインタフェースで使いやすい。

プロジェクトの基本項目として設定する必要があるのは「ルートフォルダ」「バックアップフォルダ」「バックアップファイル名」「圧縮ファイルの形式」。

• ルートフォルダ：バックアップの対象となるフォルダを指定する
• バックアップフォルダ：バックアップファイルを保存するフォルダを指定する
• バックアップファイル名：ファイル名の生成規則を指定できる
• 圧縮ファイルの形式：アーカイブ形式を指定する。LHA/ZIP/CAB/TAR/TGZ/TAZ/GZ/G/BZ2/BZA/GZAから選べる

• プロジェクトファイルのタイトルやバージョン、コメントなどの登録
• 除外フォルダ/ファイルなどの指定（テンプレートで簡単に指定できるようになっている）
• バックアップファイルの名前に使用するカウンタ数などの指定
• 相対パス指定、自己展開ファイルの作成、上書きの確認などの指定
• バックアップファイルをリストアする際の不要ファイルの削除、上書き確認などの指定

メイン画面はフォルダツリーとファイル一覧からなるエクスプローラ風。作成したプロジェクトファイルを開くと、左ペインにはルートフォルダ以下のバックアップ対象フォルダが、右ペインには左ペインで選択したフォルダ内のファイルが一覧で表示される。列の項目名のクリックで並べ替えできるのもエクスプローラ同様。選択ファイルのクリップボードへのコピーやファイルの削除といった操作も可能だ。

バックアップを実行すると、あらかじめプロジェクトに設定しておいた命名規則や圧縮形式にもとづいて、バックアップファイル（アーカイブ）が作成される。リストアする場合はバックアップ先から、復旧したいアーカイブを指定すればよい。バックアップ元に同じファイルが存在する場合は、上書きするかどうかを選ぶことができる。

バックアップの方法は、対象となるフォルダの内容をまとめてアーカイブ化するというもので、ある時点におけるファイル一式をそっくり保存しておくのに向いている。差分バックアップのように、新規作成のファイルや更新されたファイルだけをバックアップするのではないという点を理解しておきたい。プロジェクト作成時のデフォルト設定では、バックアップファイル名は「ルートフォルダ」＋実行時の日付＋カウンタという形式で、同じ日にバックアップを繰り返した場合はカウンタの数字が増えていく。

特徴的な機能としては、テンプレートの存在も挙げられる。テンプレートは対象となるファイルや除外するファイル/フォルダを指定するものだが、バックアップ対象のフォルダの指定は含まれていない。つまり、「バックアップ対象フォルダはプロジェクトごとに異なるが、バックアップしたいファイルや除外したいファイルの拡張子は共通」というときテンプレートを使えば、簡単に設定を済ませることができるわけだ。

あらかじめ用意されたテンプレートはVisual Basicなどのプログラム開発用となっているが、そこからもわかるように、さまざまなタイプのファイルが保存されている中から「本当に重要なものだけを抜き出して、セットで保存しておきたい」というときに最適のソフトといえる。

動きません。しかも、よりにもよって、それまで動作していた機能さえもうまくいかなくなってしまっていました。

お客さまは大あわてで「すぐに昨日の状態に戻せ！」と言われたのです。ところが、簡単な対応だと思いこんでいた私は、以前のソースプログラムのバックアップを取らないまま書き換えしてしまっていました。とてもそんなことは口に出せません。顔面蒼白でした。

その後、1時間ほどでとりあえず問題を解決して事なきを得たのですが、心臓の音はしばらく落ち着きませんでしたよ（笑）。バックアップは日頃から心がけていますが、ほんのわずかの油断で大惨事になりかねません。この日、「ワンタッチでバックアップできるようにしよう」と決意して作りはじめたのが、この「ProjecKit」です。

開発中に苦労した点
苦労というほどの苦労はありませんでした（ま、職人ですから。笑）。基本機能はわりとあっさりできあがっていましたから、自分と社内の数人で数年間使い続けていたんです。同じような課題を抱えている、さまざまな方にも使っていただけるように、今回操作性の向上やヘルプなどを追加して発表させていただきました。

ユーザにお勧めする使い方
趣味でも業務でもさまざまなファイルを扱うことになると思います。すべてのファイルをデスクトップに貼り付けて利用している方々には、ぜひフォルダごとにまとまった管理をすることを心がけるようにしてほしいですね。そうやって、カテゴリ別に分けたフォルダ単位でバックアップを取っておくと、いざというときに復旧までの時間とコストを大幅に短縮できます。

バックアップは、まったくやっていない人もいればディスクを丸ごと保存する人までさまざまのようです。ハードディスクやネットワークサーバを過信しすぎている人が多いようですね。いざというときの怪我を最小限に抑えるために、バックアップを習慣づけましょう。

ディスク上には、一時的に作成されているような、復元に不要なファイルもたくさん存在していますから、それらを除外してコンパクトに圧縮した形で、しかも世代管理できるバックアップユーティリティとして、「ProjecKit」はお役に立てるのではないでしょうか。

今後のバージョンアップ予定
エクスプローラ風のインタフェースを取っつきにくく感じられるユーザの方も多くいらっしゃるようです。ユーザインタフェースをもう少し柔らかく（謎）して、やさしく使えるようにしていきたいと考えています。また別に、ヘビーユーザの方々からすでにたくさんのご要望も承っておりますので、そういった対応も今後加えていきたいと考えています。

はじめたばかりで、まだ活用しておりませんが、Vector様の提供するブログでもサポートをしていく予定です（http://maglog.jp/seasoft/）。こちらの方もどうぞよろしくお願い致します。