「筆王2007［SELECT］ for Windows」は、“定番”はがき＆住所録作成ソフト「筆王」をベースにしたソフト。住所録作成、文面デザインといった基本機能はもちろん、郵便番号・電話番号からの住所変換、姓名辞書、グラフィックエディタなどの便利な機能を備えている。

メイン画面は、左側に固定のメニューウィンドウが配置されたデザイン。メニューは「スタート」「住所録」「デザイン」「印刷」（および「設定」）に分かれ、4項目の「操作手順バー」を順に進めることで、迷わず操作できるようになっている。

住所録の入力には、さまざまな支援機能が用意されている。郵便番号から住所を自動入力する「郵便番号辞書」、電話番号の局番から住所を入力する「局番辞書」、市町村合併後の新住所に一発変換する機能などもある。姓名辞書には約28万語が登録され、通常の日本語入力システムにない姓名も簡単に入力できる。途中までの入力でも候補が表示される「入力支援」機能も備えている。

住所録には送受信履歴などを記録しておくことも可能。出したはがきや受け取ったはがきを画像として保存しておくこともできる。住所録のデータベースをパスワードで保護できるのはもちろん、「筆王2007［SELECT］」ではパスワード認証に代わって、EdyやSuicaなどのFeliCaカードを用いた認証を利用できるようになった。

はがきのデザインは、宛名面・裏面（文面）ともにテンプレートから選択するだけで簡単に作れる。ソフトに同梱されたイラストなどを素材に自動でデザインしてくれる「無限！デザイナー」機能、デジカメ写真を含めて自動デザインする「無限！デジカメデザイナー」といった機能もある。

ソフト本体とは別に、

• デジカメ写真などのレタッチができる「かんたんグラフィックエディタ」
• 専用のアニメーションから好きな場面を背景にする「ワンタッチ！『動画から背景』」
• パソコンと携帯電話で電話帳データをやりとりできる「ケータイNinja-電話帳」

「筆王」の最大の特徴は、使いやすさとはがき作成手順のわかりやすさ。こうした要素はどんなジャンルのソフトにとっても重要だが、特に「はがき作成ソフト」にあってはより大切な要素だと思う。怠け者の筆者と一緒にしては申し訳ないが、おそらく圧倒的多数の人は、はがき作成ソフトを使うのは年1回、年賀状シーズンだけだろう。「1年触っていなかったら、もう操作法がわからない」では困るが、「筆王」ではその心配はまずないと思う。

今回のバージョンで追加された新機能は、FeliCaカードによる認証や携帯電話との連携といった、いわば周辺的なものになっている。これは「筆王」が住所録管理、はがき作成機能に関しては、ほぼ完成の域に達しているからなのだろう。