「リッチテキストPDF2 D＆D」は、そのままでは編集できないPDFファイルを編集可能なワープロ文書やテキストファイルに変換できるソフト。画像や表、段組を認識し、元ファイルのレイアウトを保ったまま、Word文書、一太郎文書にすることができる。

変換操作は簡単。変換後の文書形式をプルダウンメニューから選択し、変換元のPDFファイルをウィンドウ内にドラッグ＆ドロップするだけ。複数のファイルをドラッグ＆ドロップすることもできる。変換後のファイルは、あらかじめ指定したフォルダに出力される。

PDFの読み込みオプションには「段組を変換する」「表をセルに変換しない」「線画を出力しない」などが用意されている。「表をセルに変換しない」では、表と線画が混在している場合、画像として変換される。「線画を出力しない」を指定すると、矢印線などの不要な線画を無視して変換できる。また、通常の変換でレイアウトが崩れてしまう文書のために「レイアウト優先で変換」オプションも用意されている。

出力されるテキストのエンコード指定も可能。Shift JIS/UTF-8/UTF-16/UTF-16（リトルエンディアン）から選択できる。

PDFファイルをワープロ文書に変換する主な目的は「再編集」なので、「再編集しやすいスタイルで出力されるか」「レイアウトが忠実に再現されるか」といったあたりが気になるところ。「リッチテキストPDF2 D＆D」ではテキストボックスをできるだけ使わずに再現する方法を採用しているらしい。テキストボックスでぶつ切りにされると編集しにくいからだが、なるほどそうした印象を受けた（ただし、なぜか文字に重ねて中身が空のテキストボックスが生成されることがあったが、それは空のテキストボックスを削除するだけで済む）。

どの程度忠実に再現できるかは元のPDFファイルにもよるので一概にはいえない。標準の変換でうまくいかないときには、読み取りのオプションを変えて試してみるとよいだろう。オプションの指定によって、かなり改善されることがある。