“定番”フォトレタッチソフトの新バージョン。写真の表現力を高めるフィルタが多数搭載されるなど、前バージョンから大きくパワーアップした。「Corel Paint Shop Pro Photo XI」は、長い歴史を誇るペイント/レタッチソフト「Paint Shop Pro」シリーズの新バージョン。色変換機能「カラーチェンジャ」、特殊効果フィルタ「タイムマシン」、人間の肌を整える「スキンのスムース化」などが追加され、より高度な画像編集を簡単に行える。さらに、新機能「オーガナイザー」により、ファイル管理も容易になった。前バージョンで好評だった操作ガイダンス「ラーニングセンター」も、もちろん搭載。「写真を取り込む」「調整する」といった「ユーザが行いたい」と思われる作業一覧が表示され、「どのような操作をすべきか」を教えてくれる。
「オーガナイザー」は、新たに搭載されたファイル管理機能。エクスプローラ風のツリービューとサムネイルビューからなり、他のツールパレットと同様、メイン画面にドッキングまたはフローティング状態で配置できる。タグ管理機能を持ち、個々のファイルに任意の文字列を設定することが可能。あらかじめ適切なタグ付けをしておくことで、画像検索や同種画像の収集などの作業の手間が軽減される。
異なるフォルダにまたがる複数の画像をグループとして扱える「画像トレイ」パレットも追加された。ファイルが存在するドライブ/フォルダに関わらず、ファイルを一括管理できる。
画像加工機能では、写真表現を多彩にするフィルタが強化された。例えば、人間の皮膚の凹凸を自動的に判断する「スキンのスムース化」(いわゆる「美肌化」)や、主題となる画像の周囲をぼかすことで、写真のボケのような効果を得られる「フィールドの奥行き」などが用意されている。
「フィルムとフィルタ」も新しい機能。色域ごとの発色の強さをコントロールすることで、写真フィルムの種類を変えたような効果が得られたり、色付きフィルタを使って撮影したかのような効果が得られたりする。
ユニークな機能としては、数クリックで特定の色だけをまったく別の色に変換する「カラーチェンジャ」、画像全体の色調・画質を変更して“オールドフィルム”風の画像を作り出す「タイムマシン」などがある。単なるレタッチ用途でなく、クリエイティブ要素にまで踏み込んでいる。
画像編集機能では、統合型調整機能「スマート修正」により、色調、鮮やかさ、明るさなどの調整をひとつのダイアログで一括操作できる。画像を自動的に分析し、最適と思われる修整を自動的に行うことも可能だ。
デジタルカメラ関連では、各社RAWファイルの「現像」機能をサポート。倍率色収差補正機能やノイズリダクション機能なども搭載する。
アルバム・画像管理ソフト「Corel Snapfire Plus SE」の体験版(30日間試用可能)が付属する。写真データの取り込みや検索を簡単に行える。複数の画像をページ内にレイアウトしたり、ピクチャーフレームを追加したりといった簡易加工機能も備える。