若き男女たちの苦悩と葛藤、生と死が描かれるサイコホラー風味のオリジナルサウンドノベル。「時流」はその名の通り、“時”を題材にしたオリジナルサウンドノベル。ストーリーは一本道で、分岐の選択に悩まされることはない。小説を読むのと同じ感覚で楽しむことができる。主人公は、大学生の「流木東馬(ながらぎとうま)」。本来の姓は「五条」だが、幼い頃に両親を含む一族全員が死亡する事故があり、父親の友人でもあった流木神社の神主「流木十兵衛」の養子となった。ヒロイン「流木氷花」は十兵衛の娘で、東馬の幼なじみ。流木家に伝わる武術「聖護院流」において指導者クラスの腕前を持ち、稽古で毎日、東馬を叩きのめしている。
東馬、氷花のほかにも、脇役が多数登場する。東馬の悪友であり、極度のロリコンでもある「西郷義一」。義一の幼なじみで、東馬が所属するサークルの部長「久御山梓」。東馬が通う大学「聖護院学園」の助教授にして理事、そして東馬の恩師でもある「時崎鋭一」。どの登場人物も個性に満ち溢れている。
物語の舞台となるは戦後、学園都市として発達した、人口30万の都市「天吹市」。天吹市の成り立ちには、「御三家」と呼ばれる存在が深く関わっている。御三家は、その正体も実態もすべてが謎に包まれている。
とある理由で御三家について調べていた久御山梓は、「流木」「五条」という姓を持つ者が御三家に関係していることを突き止める。五条家は「鬼」「異能の末裔」と呼ばれ、数々の伝説を残す御三家の中でも一際特別な存在らしい。それにも関わらず、現在天吹市には五条姓の人間はひとりも存在していない。
調査の末、梓は昔からの友人である氷花と東馬が御三家の一員であることを知る。さらに、助教授の時崎が御三家の最後の一角であることも……。梓の調査をきっかけとして、物語は一気に動き出す。東馬と氷花の過去、東馬の両親が行っていた研究の内容、さらに五条家の人間がことごとく失踪する謎の事件――。御三家にかかわる人間たちによる、殺戮と悲劇の物語が少しずつに明らかになってゆく。
ゲームシステムのエンジンには「吉里吉里」を用いている。「吉里吉里」が持つ基本的な操作系が踏襲され、ウェイトを指定して「自動的に読み進む」、「メッセージ履歴の表示」などはメニューバーから行える。「メッセージ履歴の表示」を使えば、それまでに表示されたテキストをページ単位で自由に移動しながら読み直すことも可能だ。文字の表示速度は4段階に変更できる。画面サイズは「ウィンドウ表示」「フルスクリーン表示」の両方に対応する。
文字のフォントを変えたり、文字にアンチエイリアスをかけて読みやすくしたりすることも可能。フォントは、Windowsに登録されている日本語フォントであれば(基本的に)使用できる。
設定の一部は、マウスの右クリックまたは【Esc】キーを押すと表示される設定画面で変更できる。設定画面で「メッセージ消去」ボタンをクリックすることで、表示されている文字を消してCGだけを閲覧することも可能だ。
セーブはいつでも自由に行える。保存用の枠は全部で28ヵ所用意されている。