「ウッカリ送信防止」「メールボックス整理」など、ユーザの利便性を配慮した機能が追加された“定番”電子メールソフトの新バージョン。「Eudora 7J for Windows」は、15年という長きにわたって使われ続けてきた電子メールクライアントソフト「Eudora」シリーズの新バージョン。従来からの使いやすさはそのままに、便利な機能が多数追加された。セキュリティ対策機能の強化なども図られている。
新機能の中でも特に注目されるのが「ウッカリ送信防止」機能。あらかじめ登録しておくことで、上司や客先などの重要な宛先にメールを送信する際に、警告を表示をしてくれるというもの。うっかり重要な情報を社外に漏らしたり、上司に対してくだけた口調のメールを送信したりといったことを防止できる。
「メールボックス整理」は、メールボックス内のメールがあらかじめ指定した数を超えた場合、「メールボックス整理」と名づけられたフォルダ内に(元と同名の)フォルダを作成し、現在のメールボックスからメールを移動してくれる機能。アクティブなメールボックス内のメールは常に一定数を超えることがなく、新規メールの検索などが行いやすくなる。
検索機能も強化された。すべてのメッセージに対してインデックスを作成することで、単語検索の高速化が図られている。また、メール本文に含まれる単語をlivedoorで検索したり、翻訳したりといったことも可能。本文中の住所をlivedoor地図情報で検索・表示することもできる。
セキュリティ対策関連では、フィッシング詐欺や悪質サイトへの誘導を防ぐための機能として「URLチェッカー」が用意された。本文中に含まれるURLのクリック前にチェックが行われ、セキュリティ上危険だと思われるサイトへのアクセスを自動的に遮断する。HTMLメールの表示では、「Eudora」独自のHTML表示エンジンを搭載。IEコンポーネントを使用せずにHTMLビューを利用できる。IEのHTMLエンジンが抱える脆弱性や、ActiveXなどの脆弱性、OSの脆弱性を利用するコンピュータウイルスの侵入を妨げる。
迷惑メールの処理機能もある。メールの単語パターンを学習し、自動的にデータベースをブラッシュアップすることで、単なる単語フィルタにとどまらない、高度なメール振り分けを行える。チェック対象の単語を登録する手間をかけずに、迷惑メールを振り分けられる。
メールの管理方法やユーザインタフェースは従来のものを踏襲。フォルダツリーによるメールの階層管理はもちろん、自動振り分けも行える。MDI方式を用いて、複数フォルダ内のメール一覧を同時に表示する独特のビューも利用できる。メールのドラッグ&ドロップによるフォルダ間移動は、ツリービューの中だけではなく、複数開いたメール一覧ウィンドウ同士でも行える。
受信プロトコロルはPOP3/IMAP4に対応。さらに「7J」では、アカウント管理用としてディレクトリサービス「LDAP」にも対応した。LDAPでは、セキュリティ確保のためSSLを使用する「LDAP over SSL」にも対応する。メールサーバとしてIMAPを使用する場合、サーバに接続していない状態でもオフラインでメールを操作する「拡張IMAP」も機能向上が図られている。