謎めいたひき逃げ事件を、主人公の探偵が追う推理アドベンチャーゲーム。プレイヤーの行動とともにゲーム内での時間が経過するなど、特徴的なシステムが採用されている。「殺意の旋律」は、不可解な「ひき逃げ事件」の調査を依頼された探偵「藤田恭介」が主人公のアドベンチャーゲーム。物語は、才能はあるが売れないモデル「島田明日香」が、あるバーで無名ピアニストに出会う場面からはじまる。作曲家になりたいと願うピアニスト「勝村貴志」と意気投合した明日香は翌日、貴志と待ち合わせの約束をする。ところが、貴志は待ち合わせの場所に来る直前に事故で死亡。警察は、この事故を「ひき逃げ事件」と断定した。「ひき逃げ」に納得できない明日香は、探偵の「藤田恭介」に事件の捜査を依頼するのだが……。
プレイヤーが操るのは、探偵の主人公・藤田恭介。ゲームシステムはシンプル。「移動する」コマンドで事件現場や関係者宅などに出向き、現地で出会った人物に聞き込みを行うことがメインとなる。
関係者に質問できるのは「事件について」「人について」など4項目。「事件について」では事件当時のアリバイや、事件で気がついたことなどを聞き出せる。「人について」では、それまでに会った人物や、噂を聞いた人物について聞くことができる。同じ質問でも2回以上聞くと内容が異なる場合もあるので、何度も聞いてみることがポイントだ。
「問い詰める」コマンドも用意されている。質問相手が気になることや矛盾したことを言った場合、その内容を文字通り「問い詰める」もの。「問い詰める」を選択すると、画面下に文字入力欄が表示される。適切なタイミングで単語やキーワード、人物名を入力することで、新しい情報や新事実を手に入れられるようになっている。
画面内の気になる場所をクリックして「捜査」する場面もたびたび発生する。「捜査」により、新しい発見をしたり、アイテムを見つけたりできる。見つけたアイテムなどは、質問相手に「持ち物を見せる」コマンドで見せることも可能。新しい発言を引き出すこともできる。
多くの推理アドベンチャーでは、「とにかくすべてのコマンドを試す」ことでクリアできるが、「殺意の旋律」では、さまざまな場面で頭を使わないと先に進めない。きちんと登場人物の話を聞いて、必要なキーワードを手に入れたり、画面内の不審な部分をクリックしてアイテムを手に入れたりしなければいけない。
ゲーム内での時間は、事件の捜査とともに経過する。相手にひとつ質問をしたり、持ち物などを見せたりすると5分、場所の移動を行うと20分が経過する。人物によっては特定の時間しか会えないこともあるので注意が必要。例えば、殺された貴志が働いていたバーは5時以降に開店する。5時より前にバーに行ってもオーナーには会えない。
さらに、主人公は夜の10時になると一日の捜査を打ち切ってしまう。夜から捜査に出向き、相手に多くの質問をすると、そこで時間切れになってしまう。
捜査の中心となる探偵事務所では、何もせずに1時間だけ時間を進める「時間をつぶす」コマンドを利用できる。特定の人物に会いたい場合には便利だ。