日ごろから「EmEditor Professional」をご利用いただき、誠にありがとうございます。今回の「v6」へのバージョンアップでは、従来から要望の多かった機能の追加を積極的に行いました。以前、最も要望の多かった機能のひとつは、文書のアウトラインを解析して表示する機能でした。そこで、本バージョンで初めてこの機能を追加し、文書の一部を折りたたんで表示できるプラグインを用意しました。アウトラインとひと口で言っても、さまざまな使用方法が考えられます。そこで、「EmEditor」本体ですべてアウトライン処理を行うではなく、プラグインという形で本体の機能を補うことにしたわけです。このプラグインのソースコードは公開されているので、さらに発展したプラグインをユーザのみなさまで作成していただくことも可能です。
新しく追加したプラグインにはほかにも、Webページのプレビューを行うプラグイン、開いている文書から検索を行うプラグイン、さらに、定型文を挿入するプラグインなどがあります。これらのプラグインは、「カスタムバー」という「EmEditor」内の新しいウィンドウ(サイドバーと書いた方がわかりやすいかもしれません)で利用できるようになりました。「カスタムバー」を利用すれば、アイデア次第でさらにおもしろいプラグインを開発することも可能でしょう。
「カスタムバー」と外観が似ていますが、「アウトプットバー」という「EmEditor」の内部で使用するウィンドウも追加されました。これを利用すると、コンソールプログラムを外部ツールに指定している場合、外部ツールの標準出力を「アウトプットバー」に出力することができるようになりました。例えば、コンパイラの出力をEmEditorで取り込み、エラーの箇所をタグジャンプすることによりコードを修正する、という作業が簡単にできるようになりました。
さらに、EmEditorのマクロに使用できる言語は、Perl Script、PHP Script、Python、Ruby Scriptなど、JavaScript、VBScript以外のActiveScriptも、スクリプトエンジンがシステムにインストールされていれば使用できるようになりました。例えば、マクロの最初の行に、
- #language = "PerlScript"
の1行を追加するだけで、マクロの言語としてPerl Scriptを利用できます。そのほかにも今回のバージョンでは、「EmEditor」のプログラムを常駐しておいてウィンドウの表示を高速にする機能、言語パックを追加することにより、メニューやダイアログなどのユーザインタフェースの言語を切り替えることができる機能、Windows Vistaへの対応など、より多くの機能が追加されました。
以上のように、「EmEditor Professional v6」では、新しい機能を積極的に追加して、より使いやすくしています。ただし、今回のアウトラインの実装については、決して満足しているわけではありません。現在の実装では、プログラムがアイドルの状態で文書全体を更新しているため、アウトラインを表示している状態で巨大なファイルを編集しようとすると動作が極端に遅くなってしまいます。次期バージョンでは、このアウトラインを細かく更新できるように改良したいと考えています。
本バージョンでのWindows Vistaへの対応は主にセキュリティ関連を重点的に行っていますが、ファイルを開くダイアログは、従来のWindowsと同様になってしまい、Windows Vistaの新しいダイアログとは異なってしまいます。この点について対応を見送った理由は、まだWindows Vistaがβ2の段階であり、正式版までに仕様の変更も考えられるためです。次期バージョンでは、こういった細かい点についてもWindows Vistaに完全対応したいと考えています。
さらに次期バージョンでは、安定性と軽い動作性を損なわずに、テキストエディタとしてあるべき理想の姿を追求していきたいと考えています。
今後も「EmEditor Professional」を末永くご利用いただき、ご質問やご意見がございましたら、フォーラムやメールなどでご連絡いただければ幸いです。どうぞよろしくお願い申し上げます。
((株)エムソフト)